立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は26日の参院内閣委員会で、昨年の自民党総裁選で、高市早苗首相の陣営が他の候補を誹謗(ひぼう)中傷する動画を作成し投稿したとする「週刊文春」報道をめぐり、首相がかつてブログに記した(現在は削除)内容を取り上げながら、首相の対応を厳しくただした。
高市首相は、文春報道についてこれまで一貫して否定しているが、動画作成を主導したとされる男性が、18日配信のインターネット番組に出演し、高市首相の公設第1秘書とオンラインでやりとりしたと発言するなど、双方の主張が食い違う事態となっている。
高市首相はこの日の答弁で「事務所の職員に事実確認したが、総裁選や総選挙の期間中、面識のない方も含め、莫大(ばくだい)な数の電話やインターネットのやりとりがあったが、週刊誌の記事にあったようなやりとりは確認できず、記録もないと言うことだった」としてあらためて否定。一方、杉尾氏は「報道では、(公設第1秘書と男性との間の)メールやライン、シグナルなどが67通、オンライン会議は少なくとも8回、証拠も示されている。それは確認したか」と問うたが、高市首相はオンライン会議については触れず「記事にあったラインやシグナル、ショートメッセージのやりとりは、その存在は確認できなかったと報告を受けている」と訴えた。
これに対し杉尾氏は「先日の国会答弁によると、『初当選以来、私は他候補を非難したり人格攻撃をしたことはない』と。なのに、自らの哲学に反することを見ず知らずの人にされて怒らないで、そのままっておかしくないですか」と指摘。高市首相は「見ず知らずの方がそういうことをやったかどうか、私が承知する立場にはない」とした上で、「オンライン会議と言うが、私自身、総裁選の期間中、とてもたくさんのオンライン会議をやった。十数人、20人の方が次から次から出てきてお名前をおっしゃる方、おっしゃらない方、ありました。一つ一つを覚えているか、明確に覚えているか、オンラインをだれとやったか、そんな記憶があるわけないじゃないですか」と、質問には正面から答えなかった。
杉尾氏は自席から「聴いていない」と声を上げ、質問に立つと「私は、そういうことを勝手にされてなんで怒らないのか、と言っているのに、なんで違うことばっかり答弁するんですか。おかしいでしょ」と怒りをあらわにし、「総理は消されたそうですが、ブログの中で、高市事務所では、秘書は代議士の了承がなければ陳情や依頼を勝手に処理してはいけないそうです。何か問題が起きた時に、私は知らなかったと言いたくないというふうにも記されていた」とした上で「今回は私は分からない、知らない、ですまそうというのですか」と追及した。
この質問に高市首相は「週刊誌の記事は秘書が勝手にやったと申し上げているのではなくて、秘書もそのようなことはしていない、と申し上げております」と、強めの声色で断言した。
この日の高市首相に対する質疑で各会派の質問者に与えられた質問時間は、1人6分から8分。8分の持ち時間だった杉尾氏は「管理責任と責任者責任が問われていると思います。この疑惑が事実なら、なんでもありですよね」と指摘しながら、「民主主義の根幹に関わります。(報道が事実なら)総理辞任どころか、議員辞職につながりかねない。逃れようと思っても、逃れられないということは申し上げますね」とくぎを刺した上で、本来の質疑のテーマである国家情報会議設置法案に関する内容に移った。

