<オークス>◇25日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牝◇出走18頭

発表は良馬場でも“道悪適性”を問われる競馬になりました。東京芝コースは前日までの雨で午前中はやや重。オークスの2レース前、9Rから良に回復しましたが、直前8Rのダートはまだ不良でしたから、実際には芝もかなりの水分を含んでいました。

オークスを制したシュタルケ騎乗のカムニャック(左端)(撮影・野上伸悟)
オークスを制したシュタルケ騎乗のカムニャック(左端)(撮影・野上伸悟)

1着カムニャックは中団の外から直線も大外。2着アルマヴェローチェは好位追走から馬場の真ん中。3着タガノアビーは最後方から最内でした。上位3頭の位置取りも進路もバラバラですから、展開以上に、緩い馬場をこなせるかどうかが上位進出のポイントでした。勝ち時計2分25秒7はここ10年で最も遅いもの。時計よりスタミナを求められる競馬になりました。

その中でカムニャックは外枠から終始、外を回って差し切りました。シュタルケ騎手が馬場の傾向も踏まえた上で折り合わせ、我慢させ、直線に脚を残しました。レーン、ムーア、C・デムーロといった外国人騎手に比べると影が薄いかもしれませんが、彼も凱旋門賞を制しているヨーロッパの名手です。緩い馬場での馬のコントロールには非常にたけています。見事なJRA・G1初制覇でした。

オークスを制したカムニャックとシュタルケ騎手(撮影・野上伸悟)
オークスを制したカムニャックとシュタルケ騎手(撮影・野上伸悟)

カムニャックは95年オークス馬ダンスパートナーのひ孫です。ダンスといえば、牝馬ながら同年の菊花賞に出走し、1番人気(5着)に支持された馬です。その菊を勝ったのは私が管理したマヤノトップガン。牝馬に勝っただけ、弱い菊花賞馬だ、そう言われないためにもトップガンのその後には気を使いましたが、ひ孫がオークス制覇ですから、ダンスもやはりすごい馬だったのです。血のドラマは競馬の醍醐味ですね。

アルマヴェローチェはやや重の桜花賞に続く2着。今回も強い競馬でしたが、パンパンの良馬場なら…という思いは拭えません。3着タガノアビーは連闘後の中2週という強行軍でしたが、それだけこの舞台を走らせたいという陣営の思いが好走につながったように感じました。1番人気エンブロイダリーは9着。折り合いを欠いたことが響きました。(JRA元調教師)

カムニャックでオークスを制して歓喜するシュタルケ騎手(撮影・丹羽敏通)
カムニャックでオークスを制して歓喜するシュタルケ騎手(撮影・丹羽敏通)