得意舞台で会心の勝利を-。今週の「夏のイチ押し」は、井上力心(よしきよ)記者が、「千直の女王」藤田菜七子騎手(26=根本)を取り上げる。新潟開幕週のメイン、アイビスSD(G3、芝直線1000メートル、28日)で、10日の結婚発表後初となる重賞参戦。韋駄天S2着の快速マウンテンムスメ(牝6、天間)とのコンビで、19年カペラS(コパノキッキング)以来5年ぶり2度目のJRA重賞制覇を決める。

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年に1度の直線競馬の重賞で、千直女王が存在感を示す。ルーキーイヤーから積み上げてきた新潟芝1000メートルでの勝ち星は12。藤田騎手がデビューした16年3月以降では、全騎手でトップの勝利数を誇る。「たくさん勝たせていただいているなと思っています」と、本人も相性のいいイメージを持っている。

経験を重ねる中で、独特のコースを攻略する理論を固めてきた。「まずはゲートが大事になります。ゲートを出して外ラチ沿いを取るのがベスト。前に行ってもタメを作ってあげることが重要で、そうすることで最後まで頑張れると思っています」。スムーズに先団に取り付き、そのスピードをなるべく殺さずに道中で息を入れることが勝利への近道だと考える。

マウンテンムスメに初めて乗った前走韋駄天Sではまさにそんなレースができた。このコースでは不利とされる内めの3枠5番だったが、ロケットスタートから外に切れ込んでラチ沿いを確保。2着に粘り込んで2桁着順続きから変わり身を見せた。「(手綱を)抱えるところもあって余裕もありました。勝つことはできなかったけど競馬は理想だったかなと思います。千直はすごく合っている馬だと思います」。確かな手応えをつかんだ。

10日に結婚を発表してから初の重賞参戦。「より一層頑張りたい気持ちです。重賞でいい競馬ができるよう何とかいい結果を出したいです」。50数秒の電撃戦に魂を込める。【井上力心】

◆直線競馬最多勝 新潟競馬場に芝直線1000メートルコースができたのは01年。歴代最多勝は柴田善騎手と中舘騎手(現調教師)の25勝。3位以下は村田(22勝)、西田(21勝)、田中勝(18勝)と調教師に転身した騎手たちが続く。藤田菜七子騎手がデビューした16年以降の集計では2位が津村の11勝、3位が9勝の菊沢、杉原、西田(現調教師)。

◆藤田菜七子騎手のアイビスSD成績 今回で19年から6年連続6度目の騎乗。最高は22年スティクス(13番人気)の5着。今年こそ重賞でも上位に食い込みたい。