クリノメイ(須貝)が接戦を制して重賞初制覇を果たした。好スタートから好位を追走して、直線で抜け出した。

定年のため今週開催を最後に引退する河内師の管理馬で武豊騎手が騎乗したウォーターガーベラは内から強襲して鼻差の2着。3着はビップデイジー(松下)が入った。

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その根性は鞍上の想像をも超えた。白い鼻先を突き出したクリノメイが、最内から飛んできた“河内の夢”を封じた。「最高にうれしい。内からやられたと思った。正直『負けたな』と…。勝ててよかった」。両腕で手綱をしごき続けた酒井騎手も目を丸くした。

燃えたぎる闘志は長所でも短所でもあった。昨年末の阪神JFではゲート内で立ち上がり外枠発走に。後方から伸びず14着に終わった。以後は精神面の安定に重点を置き、レース当日も厩舎での装鞍や本馬場入場での先出しなど万全の対策を施した。須貝師は「スタッフも(調教を)工夫して頑張ってくれた。パドックもいい感じで落ち着いていた」と評価。発馬も決めて好位につけ、イン有利の馬場を生かし切った。

不完全燃焼だったG1を除けば4戦3勝で、まだまだ底を見せていない。前日1日に挙げた待望の今年初勝利を含めて今週3勝の45歳鞍上は「ちょっと気の難しい部分があるけど、コントロールが利けば、これだけの力を発揮できる。力を出せる状態で臨めれば、いい競馬ができると思う」と6週間後を見据えた。ふくらむ桜のつぼみとともに、春の仁川を彩ろうとしている。【太田尚樹】

◆クリノメイ ▽父 オルフェーヴル▽母 クリノエリザベス(プリサイスエンド)▽牝3▽馬主 栗本依利子▽調教師 須貝尚介(栗東)▽生産者 木村牧場(北海道日高町)▽戦績 4戦3勝▽総獲得賞金 7119万5000円▽馬名の由来 冠名+命