<NHKマイルC>◇11日=東京◇G1◇芝1600メートル◇3歳牡牝◇出走18頭

9番人気のパンジャタワー(牡、橋口)が制し、G1初制覇を果たした。

鞍上は松山弘平騎手(35)で勝ちタイムは1分31秒7。2着に3番人気マジックサンズ、3着に12番人気チェルビアットが入り、3連単は150万5950円の特大万馬券となった。

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松山弘平騎手は毎週木曜日の囲み取材に欠かさず対応してくれる。年下の記者にも懇切丁寧で、「何をどうしたら松山さんみたいな人格者になれるのだろうか」とよく思う。ある厩舎スタッフはその誠実さを「人のことを上とか下に見ないで分け隔てなく偉そうにしない」と証言する。

松山騎手は09年に池添兼雄厩舎(池添謙一騎手、池添学師の父、23年に解散)からデビュー。11年にフリーになり、12年に重賞初制覇。着実に騎手としてのキャリアを築くなかでも、謙虚な姿勢は崩さなかった。常にリーディング上位に入るトップジョッキーとなっても、師匠の部屋の玄関掃除を続けていたそうだ。くしくも今回コンビを組んだパンジャタワーを管理する橋口師は、同じ池添兼雄厩舎出身。縁はつながっているのだろう。

22年には落馬により「外傷性脳損傷、右鎖骨骨折、頸椎(けいつい)骨折」の大けがを負った。復帰して大きなレースを勝っても心から喜べない、精神的につらい時もあったという。苦境を乗り越えて、4年ぶりのG1タイトル獲得。ウイニングランでの最高の笑顔に、こちらも頬が緩んだ。【中央競馬担当 下村琴葉】