<安田記念>◇7日=東京◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走17頭

武豊騎手(57)騎乗のシックスペンス(牡5、田中博)が2番手から抜け出しG1初勝利を挙げた。管理する田中博康調教師(40)は、JRAのG1は4勝目となった。

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常識を破った。昨年11月25日の早朝。ジャパンC当週の東京競馬場に田中博師の姿があった。フランスから来日したレーティング世界一のカランダガンがお目当て。「せっかく欧州最強馬が来ているので3日間ほど見てます。来る価値はありますよ」。騎手時代から世界に目を向け、ベルギーで勝利経験も。技術調教師時代はフランスの名門A・ファーブル厩舎で勤務。アイルランドの名伯楽、A・オブライエン師に習い隊列調教を導入した。今年春には多忙をぬって渡仏。カランダガンを管理するF・グラファール師のもとへ出向き、肌で学んだ。

学びが生きた。海外のトップトレーナーはレース前日、当日まで臆せず攻める。最終追い後は軽め調整が日本の主流だが、安田記念を制したシックスペンスは土曜朝、ウッドでラスト1ハロン12秒1を出した。「大きく体を使わせようとした結果、この時計になっただけ。特別、珍しいことはやってません」。国枝厩舎からの転厩馬で手探りも、先週調教に乗った穂苅助手の助言を取り入れブリンカーを初着用。「途中から見た馬で勝つことは今までと違った喜びです」。1頭1頭の“今”に合わせてタクトを振る。それが田中博師の常識だ。【桑原幹久】