演歌歌手の出光仁美(37)が8日、静岡・戸田「たか丸」(野田剛船長=50)で、人生初の夜釣り&ジギングに挑戦した。

前回のヒラメ釣りでは、釣り人生初のアタリなしのボウズを経験。「悔しい」を連呼し、今回の夜釣りには並々ならぬ決意で臨んだ。「釣り仲間からはパーフェクトボウズといわれ、何となく前向きになれましたが、やっぱり悔しかった。だから、今回は1匹釣れるまでハゲヅラでやります」と自ら志願した。

同船宿は、戸田港内に設置された係留船で昼&夜の釣りや、港内夜釣り便等を実施。野田船長は「ここは港の内部なので、比較的海況が安定しているのが特徴。今の時季はタチウオがメインです」。タチウオは餌、ルアー、テンヤと釣り方はさまざまだが、「数は期待できるけど型はそれほど大きくはないので、ルアーか餌を推奨しています。最近はルアーのほうが釣れています」。

船長のススメでルアータチウオとなったが、ジギングは初体験の出光。「不安もありますが、今日は何としても1匹は釣りたいですから!」。鬼気迫る思いは、本紙スタッフも気おされるほどだった。

港内に夜のとばりがおりた午後7時過ぎ、出光のサオ先がグンとしなった。「来た、来た!」。待望のアタリに「えっ、あっ、えっ」と言葉にならない出光だったが、釣り上げたのは良型のアジ。「デカアジ! 魚、魚をいただきました! 船長ありがとうございま~す!」と絶叫すると、「今日も釣れなかったらと思うと…」と言葉を詰まらせた。おもむろにハゲヅラを外す姿は、いわば“ボウズ”からの卒業式。すがすがしい表情を浮かべていた。

この直後にも良型のアジをゲット。続けざまに出光のサオが弧を描く。「乗っとる、乗っとるよ!」。水面に銀色の魚影が映える。「タチウオだ!」。だが、抜き上げようとしたその瞬間、バレた。「惜しかったな~!」と野田船長も一緒に悔しがる。出光は「あれは、どうしたら良かったのですか?」とぼうぜん自失も、すぐに気を取り直して、しゃくり続けた。そんなツリジョ魂に応えるかのように再びサオがしなる。「今度こそ!」で抜き上げたのは本命タチウオだった。「美しい…!」。銀色の魚体に思わず声が漏れた。その後はサバもゲットし、人生の初夜釣り&ジギングは好発進となった。「前回はボウズでしたが、今回は魚に再会できました」と新曲のタイトル「再会橋で」になぞらえ、満面の笑みを浮かべた。

この時季の港内夜釣り便および港内係留船について野田船長は、「今日のようにアジが食ってくるのは珍しい。この時季のタチウオは餌釣りよりもジギングの方が有利なので、60~100グラムのジグを用意していただくといいでしょう。でも、今日は表層のベイトを追っていたので、ミノーやバイブレーションで狙っても良さそうです。係留船のお客さんはミノーで20匹釣っていましたので」と話した。

この日の模様は、本紙釣り面およびYouTube「ニッカン釣りちゃん」で近日公開予定。