東名でワゴン車の夫婦が大型トラックに追突され、死亡した事故で、ワゴン車をあおり、進路をふさぐように追い越し車線で停車させた25歳の男が危険運転致死傷罪などで起訴されました。ロードレイジ(運転中の報復行動)と呼ばれるトラブルです。警察庁によると、昨年のあおり運転を含む車間距離不保持の摘発件数は7625件。日本自動車連盟(JAF)の調査では、あおられた経験が「よくある」は7・9%、「時々ある」は46・6%で、半数以上があおられたことがあると答えています。

 アンガーマネジメントが生まれた米国では、ドライバーの約80%が過去1年に1回以上はキレ、「あおる」(51%)、「怒鳴りつける」(47%)、「クラクションを鳴らす」(45%)などの行動を取ったと、米国自動車協会(AAA)が発表しています。まさに「誰もが加害者になり得るし、被害者になり得る」(米運輸省)行動です。ふだんは穏やかなのに、ハンドルを握ると気が荒くなる人がいます。車はよろいで守られたような空間であるため、ふだんは何か言われても言い返さないような人も怒りを表しがちです。誰の車か分からない匿名性もあるため、気も大きくなります。

 運転に自信がある人は要注意です。自信がない人はあおったり、幅寄せしたりしませんが、平均以上と思っている人はそういう行動ができてしまいます。高級車、大型車に乗っている人も同様に注意が必要です。イライラしないためには、時間に余裕を持つこと。そして自分の気持ちを落ち着かせる言葉を用意しておくことです。「のんびりいこう」でも子どもの名前でもいいと思います。以前、紹介したコーピングマントラというテクニックです。