■オムツというスキャンダル
心房細動のカテーテルの治療を受けました。
カテーテル治療が無事終わり、その後12時間の絶対安静。おちんちんにはバルーンが入り、尿は管を通して袋にためられるようになっており、その上にオムツをしています。うんこが出たくなっても、トイレにはいけない。これが実につらかったのです。
■うんこの壁
夜中に便意をもよおしました。看護師さんに言ったら「オムツをつけているので、そこにしてください」。
それはわかっているのですが、若い看護師さんに手間をかけるのは申し訳ないなとか、恥ずかしいなとか、でもオムツに排便したって世界が終わるわけではないよな、などとハムレットのように悩みました。
■「老い」はスキャンダルではない
ボーヴォワールは、「老いとはスキャンダルである」と述べています。スキャンダルを日本語にすれば、不祥事とか醜聞。ボーヴォワールの考えに、ぼくはちょっと賛成できません。
老いは、不祥事でも醜聞でもありません。上手に手なずけていけばいいだけの話と考えています。
大王製紙のオムツ「アテント」の開発に関わってきました。オムツをしたまま、ジムでトレーニングをしたり、スキー場でスキーをしたり。運動しながらオムツにおしっこをするという実験にも協力してきました。普通の人よりはオムツに慣れ親しんでいるはずたったのです。ところがおしっこはできても、大便はなかなかオムツの中にはできませんでした。うんこの壁は、まだまだぼくには高かった!