初出場の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)が、自己ベストで今季世界最高の208・94点をマークした。五輪2大会出場の父正和コーチ(50)との親子2代オリンピック参加も実現した。

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昨年10月の北京五輪テスト大会アジアンオープントロフィーで優勝した時と同じ会場。同年末の全日本選手権で羽生結弦、宇野昌磨に次ぐ3位となって、五輪代表となって舞い戻り、父から「戻ってこられて良かったな」とねぎらわれた。 父は「練習では日本人で初めて」4回転ジャンプを跳んだとされる名手。その教えを優真は5歳から受けてきた。92年アルベールビル、94年リレハンメル五輪に出た父に続き、立った夢舞台。息子は20年ユース五輪金メダル、21年世界選手権2位など世界で活躍する存在になり、五輪では正和氏が届かなかったメダル獲得が期待されている。

もちろん挑戦者の姿勢は揺るがない。「(ループ抜きの)構成は練習していない。成長した自分を見せたい」。自身3本目の4回転ジャンプとなるループを組み込むことを断言し、その通り、冒頭の4回転サルコーに次ぐ2回目に4回転ループを持ってきた。やや着氷が乱れたように見え、本人も「マイナスと思ってます」と笑ったが、ジャッジの判定はGOE(出来栄え点)プラス。公式戦で初成功となり、個人戦に向けても貴重な経験となった。

来春の中京大進学を希望しており、既に同大学アイスアリーナを拠点にする。そこで練習をともにすることが多いのが、今回も代表で18年平昌五輪銀メダルの宇野だ。その先輩が2日前のショートプログラム(SP)では自己ベスト105点オーバーの2位発進。「感動しました」と受けた刺激をリンクに込め、日本のために舞った。【木下淳】