フィギュアスケート混合団体で銀メダルを獲得しながら、いまだメダルが授与されていない米国チームが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てを行った。AP通信が19日に報じた。

AP通信は、米国チームの代理人が国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長に宛てて送付した文書のコピーを入手。そこには米国が「大会が終了するまでにメダルが授与されるようにCASに申し立てを行う」と同会長に対して通告する記述があったという。

フィギュアスケート混合団体ではロシア・オリンピック委員会(ROC)が優勝。米国が2位、日本は3位に入った。だがROCのワリエワにドーピング違反が発覚し、メダル授与式も延期となった。

バッハ会長はこれまでに米国チームの選手たちと面談。メダルの代わりに記念のトーチを授与する代替案を提案した。だがメダルの授与を求める米国チームの選手たちを納得させることはできなかった。

米国フィギュアスケートチームのエグゼクティブ・ディレクター、ラムジー・ベーカー氏は「オリンピックのメダル授与式は、何かで置き換えられるものではありません。選手たちは北京を離れる前に、世界中の人々の前で祝福されるべきです」と話している。

またロイター通信によると、CASのリーブ事務局長も米国チームから申し立てがあったことを認めたもよう。申し立ては米国オリンピック委員会(USOPC)によるものではなく、9人の選手の名前で行われたという。現在、公聴会が開かれており、19日深夜までに裁定が下る見通しとなっている。