パリ五輪でのミュンヘン大会以来52年ぶり金メダル獲得へ大きな1歩だ。
世界ランキング2位のバレーボール男子日本代表が20日(日本時間21日)、合宿先のポーランドで同1位の同国と強化試合を行い、フルセット勝ちを収めた。ネーションズリーグ(VNL)途中に左足首痛で離脱した高橋藍(22)が、約1カ月ぶりの実戦で3本のサービスエースを含む20得点と躍動。エース石川祐希(28)とともに、トップチームでは15年ぶりとなるポーランド戦勝利に導いた。23日にパリ入りし、27日に初戦のドイツ戦(同11位)へ臨む。
セットカウント2-2で迎えた最終第5セット。16-15のマッチポイントで石川がバックアタックを決めると、コート上に歓喜の輪が広がった。世界ランキング1位の最強国から、トップチームにおいては09年11月のワールドグランドチャンピオンズカップ以来となる白星。主軸を担うクレクやレオンらが出場する本気モードの強豪を完全アウェーで粉砕し、今年のVNL予選ラウンド(R)まで続いていた同国からの連敗を「12」で止めてみせた。
日の丸に頼もしい男が帰ってきた。攻守の要の高橋藍が、スタメンで約1カ月ぶりに実戦復帰。第2セットを決めるサービスエースを放つなど、西田の28得点に次ぐ両軍2位の20得点でチームを勢いづけた。過去最高の2位となったVNLでは、古傷の左足首痛が再発し予選R中の6月21日に戦線離脱。「けがの状態はかなりひどかった。靱帯(じんたい)を切ってしまった」と明かしていたが、出国前の「よい形で回復している。コンディションはしっかりパリに合わせていく」との言葉通り、地道な調整で本番へきっちりと仕上げてきた。
21日に予定されていたセルビアとの強化試合は、システム障害の影響で同国のポーランド入国が遅れたため中止。この一戦が52年ぶりの頂点を目指す五輪前最後の実戦となったが、また1つ金メダルへのイメージが明確になった。先月まで行われたVNLでは「五輪で金を目指すため」と定めた決勝進出の目標をクリア。大舞台で過去最高の銀メダルを獲得し、確かな経験値を上積みしたが、エース石川は「正直言うとポーランドや米国と試合をしたかった」と五輪上位の常連国との対戦を渇望していた。頂点を狙う上で対戦が避けられないポーランドからの勝利。本番直前の成功体験で、何ものにも代え難い糧を手にした。
いよいよ開幕1週間を切った。23日にパリに移動し、開会式翌日の27日に行われる1次リーグ初戦のドイツ戦(同11位)へ臨む。今月8日の壮行会で、石川は「パリへはメダルを取るために行く」と誓った。“史上最強ジャパン”が、満を持して決戦の地へ乗り込む。
◆ポーランド強国列伝 14年、18年と世界選手権を連覇し、22年は準優勝。23年のVNLでは金メダルを獲得した。昨季までVリーグ名古屋で活躍した精神的支柱のクレク主将を中心に、イタリアセリエAのスーパースターのレオン、世界屈指のビッグサーバーのビエニエクら強力な個がそろう。日本は昨年の強化試合で勝利も、この時は相手の主力が不在。トップチーム同士の対戦に限れば11年のW杯以降12連敗を喫しており、そのうちストレート負けが7度で2セットを奪うことすらできていなかった。



