シンクロ日本が復活-。日本の乾友紀子(25=井村シンクロク)三井梨紗子(22=東京シンクロク)組が、188・0547点で08年北京五輪以来、2大会ぶりに銅メダルを獲得した。前日15日、決勝に持ち越すテクニカルルーティン(TR)ではライバルのウクライナに0・0144点差の4位だったが、この日フリールーティン(FR)で逆転。井村雅代ヘッドコーチ(HC)の66歳の誕生日に、復活メダルという最高のプレゼントをした。

 井村HCが日本と中国で計15個目のメダルをもたらした。メダル請負人も決勝が誕生日だったのは今回が初。乾と三井にメダルをかけてもらうと「忘れられない誕生日になった」と涙にぬれた目じりをさげた。

 中国移籍もあり、一時は出入り禁止とされた日本水連から、2年前に低迷打破の切り札として再登板を請われた。選手をギリギリまで追い込みながら、引っ張り上げるのが井村流。だからこそ、メダル奪還への重圧を恐れたことはない。「プレッシャーはやりがい。選ばれた人間にしかプレッシャーは与えられない。選手に受けて立ちなさいと言いながら自分にも言い聞かせた」と話す。

 失われた10年といわれた低迷期。競技人口も減少した。「チームでもメダルを取らせて東京につなげていきたい。子供たちもテレビを見てシンクロをやろうと思う人も出てくる」と負のスパイラルの脱却も強調。今回のメダル獲得で、井村HCの東京大会までの続投も濃厚になった。