橋本聖子五輪相(56)が5日、閣議後の会見で、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)の発言が女性蔑視と批判されている問題で、森会長が会見を開いて謝罪した4日夜、国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長から直接電話があったと明かした。

バッハ会長から森会長が発言を謝罪し、撤回したことについて「IOCとしてはその部分については理解した。政府としては引き続き、東京大会に向けて努力してほしい」と言われたという。橋本氏は「全力を尽くしてやっていきます、と申し上げた」と、電話会談の内容について説明した。

森会長の発言は海外からも批判が相次いでいる。「海外ではジェンダー、差別といったことに関して、特に強い意識がある。信頼され、理解され、歓迎される東京大会になるべく、しっかりと準備していく」と話した。森会長には「同じことを繰り返さないように、しっかりと対応に努力してほしい」と注文した。

橋本氏は菅義偉首相の指示から「昨日、森会長には非常に強く私から申し上げた」とし、政府として森会長に厳重注意した事実をあらためて強調。IOCは「問題は決着」との声明を発表していることから、「政府としても(森会長に)申し上げて終わりということ」と聞かれると「はい」と話した。コロナ終息が見えない状況で開催反対の声が多い中、政府としても森会長の謝罪とIOCの声明、政府の厳重注意をもって、この問題の決着を図りたい考えをにじませた。

森会長は辞任を否定しているが、進退について、あらためて見解を問われると「組織委員会がお決めになること」と話した。【近藤由美子】