来夏に延期となった東京オリンピック(五輪)を目指すアスリートを中心に、1997年(平9)度に生まれたトップ級の選手で構成される「97会」の第1回オンライン合同トレーニングが1日、公式ツイッター上(https://twitter.com/97athlete)でライブ配信された。

フェンシング男子フルーレ日本代表の西藤俊哉(23=長野クラブ)と陸上中距離の田母神一喜(22=阿見アスリートクラブ)が、記念すべき初回の講師として登場。まず西藤が、身体能力向上とメンタル安定のために取り入れているヨガを披露。腹式、胸式など呼吸で意識するポイントを伝授した。

バレーボールのアナリスト伊東南(22=東京学芸大)をファシリテーター(進行役)に、新体操フェアリージャパンPOLAの熨斗谷(のしたに)さくら(22=コナミスポーツ本店)横田葵子(23=クラシエホールディングス)皆川夏穂(22=イオン)や、フリースタイルスキー・モーグル男子の堀島行真(22=トヨタ自動車)、女子体操の内山由綺(22=早大)ら「97会」メンバーが次々とゲスト参加。西藤に続いて田母神がサーキットトレーニングを紹介し「今日だけで腹筋を割ろう」を合言葉にハードメニューを繰り返した。

前半のトレーニングが終わると、後半はトーク編。まずは「97会」が発足した経緯について、熨斗谷が「もともと国立スポーツ科学センター(JISS)で合宿生活を行っていて、同い年の輪が広がった。いろんな競技みんなで集まれたらいいね、という話から、リオデジャネイロ五輪代表の新体操組から『楽しい会』として始まって。去年やっと(会合が)実現した。新型コロナウイルスの自粛期間に、オンラインでさらに広がった」と説明した。

質問コーナーでは「新型コロナの感染が収まりつつある中、どう練習再開したらいいか」との声が寄せられると、内山が「負荷がすごくかかる競技で危険なので、体育館が使えるようになっても基礎的なことから始める計画を立ててますね」。冬季競技の堀島は「シーズンオフだったので、しっかり休めた。もし(シーズン中で)練習できなかったら、体力向上に専念していたと思います」。皆川は「体育館が使えない期間は部屋で。家でフープやボールやリボンなどの練習をしたり。少しずつ段階を踏んで強度を上げていくことが大事かな」とアドバイスした。

試合前のルーティンを聞かれると、西藤は「負けたらどうしよう、失敗したらどうしよう、というマインドになってしまうと緊張するので、そんなことは考えても仕方ない。勝つことだけに集中するためのルーティンがあって、前日は部屋を掃除して、翌日は試合の2時間前には必ず会場に入って、練習と同じ準備をして同じ音楽を聴いて…」と普段通りを強調した。

自転車トラック種目の世界選手権(2月、ベルリン)女子オムニアムで日本勢初優勝した梶原悠未(23=筑波大大学院)は「恐怖、緊張を受け止める。練習ノートを本番前に見返して、これだけ練習してきたんだから大丈夫、と。レースの予測や戦術も読み返して、思い通りの試合になるようイメージして走るようにしてます」とした。

新体操組の横田は「死ぬほど練習してきた自信があるので、試合前は不安がないですね。個人的にはタオルを胸の前で持って深呼吸を3回してから試合に臨んでいる」。皆川が「コーチに耳を強くつねってもらっている」と明かすと、横田が「鼻の下もつねってもらっている」と重ねた。

「勝負飯」には、内山が「肉」。飛び入り参加した女子バスケットボールの中田珠未(22=JX-ENEOS)も「肉」と声をそろえた。西藤は「16年まで試合当日は『アンパンマンチョコ』を食べていた。恥ずかしいから隠れて。海外にも内緒で持っていったりしてたけど、ロストバゲージした後、アンパンマンも、ばいきんまんも(溶けて)いなくなって、大変なことになっていて…。それでやめた」と軽妙だった。

「国際大会に必ず持っていくもの」「ロストバゲージ」など海外遠征に話題が広がると、内山は「焼き肉のたれ! どんな物にも合う」。横田と熨斗谷が「フープが乗り継ぎで届かないことが多くて。借り物のフープで優勝したことがある」と言えば、西藤も「フェンシングも防具のロストがある。その時は現地で調達するんだけど、1大会に1人は全身、まっさらな新品の選手がいて『あっ、この人、絶対にロストしたな』と思いながら見ている」と競技ならではの鉄板話で笑わせ、第1回を締めくくった。

次回は3日午後8時から開催が予定されている。