日本選手権4冠の池江璃花子(20=ルネサンス)が、東京五輪で新種目・混合400メートルメドレーリレーに出場する可能性が出てきた。11日、代表選手が発表されて男子17人女子16人の計33人が選ばれた。日本オリンピック委員会の承認を得て、日本代表選手団として編成される。池江は400メートルリレー、400メートルメドレーリレー代表。100メートルのバタフライと自由形で優勝したことから、体調を優先しつつリレー3種目目として新種目が視野に入った。

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東京五輪で、池江に3つめのリレー種目が視野に入った。新しく採用された混合400メートルメドレーリレー。男女2人ずつ合計4人が背泳ぎ→平泳ぎ→バタフライ→自由形で100メートルずつを泳ぐ。男女どちらをどの泳法に配置するかは自由。自国のチーム構成に応じて戦略を立てる。池江は、第3泳者のバタフライで出場する可能性が出てきた。

ポイントは、東京五輪の競技日程。同リレーは7月29日夜に予選で、同じ時間帯に男子100メートルバタフライ予選がある。同種目は水沼、川本が代表入り。自己ベストは水沼が51秒03、川本が51秒00。19年世界選手権3位相当で、日本勢初のメダルが期待されている。

同リレーでバタフライに男子を起用すると、29日午後に個人予選→同リレー予選と短いスパンで2本。しかも翌30日午前に個人準決勝。決勝がかかる勝負レース前に、同リレー予選は入ることは避けたい状況だ。

同リレー独自のセオリーもある。競泳では出遅れると先行する相手の波を受けて泳ぎにくくなる。また男子が作る波に女子は慣れていない。そのため同リレーでは多くの国が男子→男子→女子→女子で、先行逃げ切りを狙うことが多い。

池江はバタフライ、自由形で1番手。後半の2泳法が泳げるマルチな存在といえる。同リレーは7月29日予選、同31日決勝、女子400メートルメドレーリレーは30日予選、8月1日決勝と本番での日程も重複しない。

過去の五輪ではリレー代表が個人種目に出ることがあったが、日本水連は東京五輪について、基本的にリレー代表はリレー種目を優先する方針。池江は「決まったからには自分の使命を果たさなきゃいけない。リレーがメインになると思うが、チームに貢献したい」と話している。日本代表の平井ヘッドコーチは「(池江は)戦力として頼もしい。ただ体調を最優先してできるところは合流してもらう形をとるのではないか」。現在も6週間に1度は通院しており、体調が最優先であることは変わらない。慎重に状況を見極めながら、新種目の可能性を探る。【益田一弘】

 

◆混合400メートルメドレーリレー 東京五輪からの新種目。各チームに委ねられた選手の配置が、勝負のかぎを握る。世界選手権では15年カザン大会から実施されて、英国が3分41秒71で初代王者。世界記録は中国で3分38秒41。日本記録は18年8月の3分40秒98で、順番は男子入江陵介-男子小関也朱篤-女子池江璃花子-女子青木智美だった。

 

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