新型コロナウイルス感染拡大で東京五輪は延期となった。選手が来夏の祭典で獲得を目指す五輪メダル。各競技でどのような歴史が刻まれてきたのか。「日本の初メダル」をひもとく。

  ◇    ◇    ◇

2000年シドニー大会で五輪の仲間入りをしたトライアスロン。日本は男女ともに全大会に出場しているが、まだメダル獲得は果たしていない。1・5キロのスイム、40キロのバイク(自転車)、10キロのランで競う超ハードな競技で、いまだに欧米勢の牙城を崩すまでにはいたっていない。

惜しかったのは08年北京大会の、井出樹里。スイムで4位につけると、バイクで一時は18位まで落ちたものの、得意のランで巻き返して5位に入った。陸上から転向して2年半の大健闘だったが「メダルがほしかった」と悔しがった。

前回の16年リオデジャネイロ大会は女子のエース、上田藍に期待がかかった。世界シリーズで安定した成績を残し、大会時の世界ランキングは3位。メダルは射程圏だった。しかし、スイムで遅れてまさかの39位。レース直後に、東京大会での巻き返しを誓った。

女子の高橋侑子ら世界と争える選手も育ってはいるが、来年の東京大会で期待がかかるのは初採用となった混合リレー。男女各2人がスイム300メートル、バイク7・4キロ、ラン2キロの短距離でリレーする。日本は開催国として出場権を持つだけに、これに特化した強化でメダルを目指している。