今回ご登場いただくのは、1月13日の日本財団会長杯(丸亀ボート)で3年ぶりの優勝を飾った大庭元明選手(50=福岡)です。

手にした34号機は「感じは良かったんだけど最初回ってなくて、少し調整したら、出足とか回り足とかすごい反応来たんで、その方向で進めていったらいい感じに仕上がりました。ギリギリまで調整して、最後はもう自分の中では完璧な仕上がりになってましたね」と、自信を持って臨んだ優勝戦だったようです。

実はその少し前にペラ小屋にお邪魔させていただいた時「最近は、乗艇スタイルを変えていい感じになってきてるから、今、乗るのが楽しい」とお話ししてくださってすぐの優勝に、レース後は香川の同期の方々と勝利の美酒を味わったとのことでしたよ。

近くにレース場もあって、幼い頃からボートを知る環境は身近にあったという大庭選手ですが、たまたま家庭教師をしていたところの親御さんから勧められて本気で選手を目指そうと思ったのが高校生の時。その後、4回の試験を受け23歳でデビューしてから今年で27年目を迎えます。

焼酎「なしか」を手に笑顔の大庭元明選手
焼酎「なしか」を手に笑顔の大庭元明選手

あっという間だったと振り返る月日の中で「プロペラをたたいて失敗しての繰り返しで、挫折を何度も味わいながら心が折れる時期もあったけど、それが今いい経験になって、答え合わせがどんどんできてきてるって感じ。今はプロペラたたいてその反応が出るのも楽しいし、年は取ったけど、まだ成長してるかなって自分では思えるんで」と魅力たっぷりに語ってくれました。

その長い年月の間には、具体的に制度として変わったことも…。

選手個人の“持ちペラ制度”から、レース場に備え付けの“オーナーペラ制度”への変更…これが大庭選手にレース以外でも大きな変化をもたらします。

大庭元明選手のペラ小屋にも「なしか」の文字が
大庭元明選手のペラ小屋にも「なしか」の文字が

17~18年前に仲間と見つけたプロペラ小屋は「オーナーペラになったことで時間もあるし、DIYも好きだから何かしたいなって思って」と少しずつ、快適空間へと変化していきました。さらに、「もともと料理とかも好きで、最初は焼き肉とかバーベキューから始まっていろんなメニューに挑戦して、芦屋の帰りとかここに集まってくれるみんなを接待してたんです」とお酒の種類も豊富にそろった“食の空間”に進化を遂げちゃったのも、おもてなし大好きの大庭選手だからこそ。

「好きなことにはホント凝り性というかとことん追求していきたいし、こだわりは強い方だと思いますねぇ。このみそも、知り合いのラーメン屋さんと一緒に5時間くらいかけて作ってるんです」と、すでに何杯もお代わりしているお鍋(めっちゃおいしかったです!)を指して教えてくれました。

そうして、「実は今日、起業したんです」と、さらりとびっくりする話が飛び出したので「えっ?! 社長さんってことですか?」と詳しく聞いてみると…。

「もともと飲食業やりたいって思いはあったんですけど…」とちょっと照れながらいきさつを話して下さいました。

“DIY好き”“お料理好き”“おもてなし好き”の3つがそろったペラ小屋が、癒やしの場所にもなっていった頃、近所のラーメン屋さんと出会って意気投合した大庭選手。

ちょうどその隣が空き店舗になっているということで、そこを改装してラーメン屋さんとコラボした“鍋屋さん”をする予定なんだとか。

オープンの日にちはまだ決まってはいませんが、『ぎょらん亭・別館』(仮)の社長さん、そうしてもちろんボートレーサーという二刀流で皆さんに喜んでもらいたいとのことでした。

そんな大庭選手、1月29日からの芦屋で行われるBOATBoyカップ オール福岡選抜戦に出場します。

「芦屋は大好きなんですけど、正月失敗したんで次はちょっとそのリベンジで頑張ろうと思います!」との意気込みを聞かせて下さいましたよ。

 
 

ずっと気になってた《なしかグループの由来。「うちの兄貴の奥さんが大分出身で、晩酌用に飲んでたその大分の“なしか!”っていう焼酎をシャレでヘルメットとかにも使ってたんです。そしたら、いつの間にか勝手に周りからそう呼ばれるようになりました」と、少し顔を赤くして幸せそうに話してくださいました。