競輪界は1年が半年ずつ前期と後期に区切られている。今は1月からの前期が終盤になり、期末と呼ばれる時期。この期末ならではの話題を、今日17日に始まった平塚競輪からお伝えします。

来期に初めてS級入りする恩田淳平。S級パンツがところどころぶかぶかで真新しさを感じさせる
来期に初めてS級入りする恩田淳平。S級パンツがところどころぶかぶかで真新しさを感じさせる

 前検の16日、後期に初めてS級入りする恩田淳平がS級パンツをはいて現れた。G1戦線で活躍する木暮安由との練習が実を結び、S級戦まであと1カ月半に迫った。「木暮さんに『今のうちからS級パンツをはきなさい。自覚が出るから』と。これをはくと目立つし、恥ずかしい走りができない」と気を引き締めた。

望月一成(左)が師匠の黒田直記から気合を注入される
望月一成(左)が師匠の黒田直記から気合を注入される

 静岡と埼玉の師弟コンビがシリーズを盛り上げる。黒田直記は日本競輪選手会静岡支部長として、今年暮れに初めて静岡競輪場で行われるKEIRINグランプリを盛り上げようと尽力している。弟子の望月一成を指さし、「もう前期も終わり。早くチャレンジを卒業していれば、暮れのヤンググランプリに出られたかも。それぐらいの可能性がある。日ごろからぼくのアドバイスを忠実に聞く。もちろん、今節もいろいろ話すよ」と、チャレンジ戦で奮闘する傍らで弟子の活躍を支えていく。

埼玉師弟コンビの新井剛央(左)と菱沼元樹
埼玉師弟コンビの新井剛央(左)と菱沼元樹

 汚名返上を誓う菱沼元樹が張り切っている。師匠の新井剛央と同配分に、「師匠と一緒になるのはデビュー2場所目の千葉以来。あの時は準決で4着。今度こそ、いい成績を残したい」と意気込めば、新井は「菱沼は後期もチャレンジ。2班に上がるまでぼくも頑張らないとね」と話した。

競走得点アップへ意気込む堀政美
競走得点アップへ意気込む堀政美

 期末は、競輪選手なら誰しも競走得点が最大の関心事。前期の得点は、来年前期の級班を決める元になる。特別6大会全て参戦した、ベテランの堀政美は今期91点弱。直前の4月静岡で決勝2着と好調で、S級ボーダーとされる91・5点まであと1歩になった。「できればS級に戻りたい。今は突っ込む足がないから、静岡の決勝みたいに目標にしがみつく」。今節を含む5場所で好走し、1年ぶりのS級をたぐり寄せる。

「準決は2着までに入るよ」と話す郡司盛夫。競走得点は大幅にダウンしたが闘志は健在だ
「準決は2着までに入るよ」と話す郡司盛夫。競走得点は大幅にダウンしたが闘志は健在だ

 初日のチャレンジ予選2Rでは郡司盛夫が健闘した。目標が不発の展開でも、最終4角からするすると内を突いて3着になった。「コースが締まるかと怖さがあって、コーナーを過ぎてから休んだ。昔なら1着だったかも、なんてね」とおどけながらも、「準決は2着以内じゃないと駄目だな」と闘争心が増す。平塚バンクは、82年11月にデビュー戦を迎えた地。「あの時はファンから声援ややじがすごかった」。準決、決勝で新たな思い出を作る。【野島成浩】

シリーズリーダーの志佐明は写真だけの紹介です
シリーズリーダーの志佐明は写真だけの紹介です