土曜日から始まった豊橋G3は、暖かい陽気もあってたくさんのファンが集まった。そのバックステージには勝者と敗者それぞれの表情がある。地元で勝ち上がれなかった内藤久文が、厳しい表情でVTRを見ていたのが印象的だった。横にいた平野に「今日は残念やったけど、S級デビュー戦で優勝する勝負強さがある。頑張って」と声をかけると、力強く「はい!」と返ってきた。その初々しさが頼もしく映った。

G戦線でも若い力が台頭している。1予6Rの木村皆斗もその1人だ。前受けから引いて打鐘先行。タテ足ある雨谷一樹を振り切ったのだから価値が高い。前走の前橋F1でも力強い内容で3連勝。初日、準決と恩田淳平が差せなかった。番手の選手は1走目で感覚をつかみ2走目は万全を期す。それを許さなかったのだから完勝と言える。

ヤマコウは納得の先行勝負に徹する木村皆斗にエールを送った
ヤマコウは納得の先行勝負に徹する木村皆斗にエールを送った

ただ、2場所前の西武園ナイターG3は、内容の落差が大きい負け方だった。「フレームがゆがんでいたのか、病み上がりだったのか、自分でもよく分からない…」と首をかしげるが、原因を言語化しきれないあたりにまだ若さも残る。柔和な顔とは裏腹に「若い選手は先行しろ」と周囲の声に流されずに走ってきたと言う。しかし、「1周回って意味が分かった」と話すあたりに変化を感じる。「実績を積み上げるまでは先行で勝負したい」と腹をくくる。納得してから踏み込めるのは、今どきの選手らしさでもある。西武園からすぐに立て直した対応力も評価できる。2予7Rは格上の松井宏佑相手でもブレずに走り、準決を目指す。(日刊スポーツ評論家)