津ボートで「ファン感謝3Daysボートレースバトルトーナメント」(10~12日)が始まる。選手からファンへ-。日頃の感謝を込めて水面を走る超短期決戦。全国のボート場では、特別な3日間だけではなく、常に「ありがとう」が開かれている。その1つを紹介すべく、ボートレーサーの佐藤翼(38=埼玉)土屋南(29=岡山)夫妻と子どもたちが、まるがめボートのMooovi、Gruunを体験した。

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水面からはモーター音が響き、スタンドからは大人たちの歓喜と悲鳴がこだまする。そこからわずか先の場所で、子どもたちの感情が爆発している。ボートレーサー佐藤&土屋夫妻の家族もそう。車から降りた長男せい君は目の前に広がる遊具、玩具に「早く遊びたい!」と抜群のピット離れを見せた。眠そうだった妹すいちゃんも「キャー!」と歓喜の悲鳴を上げ、パパ、ママをまくった。

瀬戸内海は、目と鼻の先。まるがめボート本場から歩いて数分の敷地内にあそび場「Mooovi」とコミュニティパーク「Gruun」はある。室内型のMoooviは発達段階に分けられ、砂場や滑り台が点在する屋外にも通じていた。たわむベルトの上を渡る「スラックライン」に苦戦していたせい君。パパがカッコイイ姿を見せようと、2度目の挑戦で無事に渡りきったが、既にわが子の興味関心は旋回。「これな~に?」とロッククライミングの「ブロックス」に目を丸くしていた。

土屋が「ここ(Mooovi)っておいくらなんですか?」と尋ねると、佐藤が「300円だって!」と間髪入れずに返答。既に入り口のパネルで確認済みだった。土屋は「え? 大人も、子どもも? こういう場所って、大体1000円くらいは…」。スタッフらと真剣に話すそばで、兄妹は水神祭ばりにボールプールへダイブ。せい君は回転遊具で目が回りそうになり、パパに「さっき食べたうどんが出るよ」とツッコまれた。

1時間フルスロットルで遊び続ければ、すいちゃんは夢の中。せい君は今度はおもちゃに夢中。土屋は「この規模、クオリティー、おもちゃの量もなかなか見たことない」と言い「選手が使えないのは寂しい」と本気で残念がった。通常、選手の利用は禁止されている。今回はまるがめボートのレース非開催日に、関係者の許可を得て特別に体験した。

帰り支度を始めると、せい君は「帰りたくない」と三輪車から離れなかった。土屋は「パパとママが選手やめたら来ようね」とほほ笑んだ。ボートの売り上げの一部が、レース場のすぐ隣で親子の居場所に姿を変えている。土屋が「私たちも少しは貢献出来ているんですかね」と言えば、佐藤も「ボートはボートだけじゃないところも知ってもらえたら」。まもなく津ボートでファン感謝3Daysが始まる。選手が感謝の気持ちを持って走る特別な3日間。ただ、ボート界の「ありがとう」は、いつも地域にある。

◆佐藤翼(さとう・つばさ)1988年(昭63)9月10日、埼玉・北本市生まれ。105期生として09年11月に戸田でデビュー、同12月に桐生で初勝利。初優勝は12年9月の蒲郡。20年大村でSG初優出3着。168センチ。血液型B。

◆土屋南(つちや・みなみ)1997年(平9)1月26日、岡山県生まれ。119期生として、16年11月児島でデビュー。初勝利は17年7月からつ。20年7月住之江ヴィーナスシリーズでデビュー初優勝。162センチ、血液型A。