5年ぶりJ1復帰の福岡の仕上がりに不安を感じている。2月13日に宮崎キャンプを打ち上げが、順調に調整が進んでいるとは言えない状況だ。キャンプ中の2月5日、就任2年目の井原正巳監督(48)は同じ宮崎市の生目の杜運動公園でキャンプを張るプロ野球のソフトバンク工藤公康監督(52)を訪れ、メーン球場でエール交換を行った。
その際、工藤監督は井原監督に「優勝してほしい」と熱烈エールを送った。しかし、井原監督は苦笑い。福岡には昨季J2で3番目に昇格を果たした現実がある。日本シリーズ3連覇を狙う常勝軍団と比べられ、井原監督の表情は戸惑い気味だった。
実際、1月13日のチーム始動から課題が多い。1月23日に今季初めて行われた福岡U-18との練習試合で格下相手に1-1のドロー発進。先制したが、CKからのクリアミスから同点にされ、守備の課題をいきなり露呈した。井原監督は「結果は引き分けでしたが、ポジティブにとらえています」と前を向いた。だが攻守にアグレッシブなユース相手にてこずる場面も多く、始動早々に心配が募ったものだ。
それでも井原監督は「キャンプでしっかり仕上げたい」と意気込んだ。だがキャンプも消化不良気味だった。1月31日、宮崎市内で行われた4チーム総当たりで争うスカパー!ニューイヤー杯・宮崎ラウンドの初戦に臨み、2年連続で鹿島に0-2の完敗となった。押し込まれてのクリアミスを得点につなげられるなど覇気のないプレーに、普段温厚な指揮官も強い口調で気合を注入するありさま。2戦目のJ2千葉戦に1-5で大敗するなど、昨季の堅守が崩壊。J2熊本とも引き分けに終わり、J1チームながら1勝も挙げられず4チーム中、屈辱の最下位に沈んだ。
敵の戦術や試合の流れに応じ、4バックと3バックを併用する戦術は今季も変わらない。攻撃ではセカンドボール支配に重点を置いた堅守速攻のスタイルを継承する。だがJ1レベルの質の高さに、精度向上が追いつかず攻守で対応できていない印象だ。ポストプレーなど前線のターゲットとなるFWウェリントンがマークされると、攻撃のバリエーションが欠乏する。2月27日の開幕戦はJ1屈指のハードワークが自慢の鳥栖との対戦だ。最後まで鳥栖以上の気合で集中力を保たないと、勝負強い元日本代表FW豊田らに痛い目にあわされる。【菊川光一】
◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当。プロ野球などのカメラマンも兼務する“二刀流記者”。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。



