NHK、テレビ朝日、フジテレビは21日、サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会(11月21日~12月18日)の放送予定を発表した。

注目の日本の1次リーグ3試合は、ドイツとの初戦(11月23日)がNHK総合、コスタリカとニュージーランドの大陸間プレーオフ勝者との第2戦(同27日)はテレ朝、スペインとの第3戦(12月1日=日本時間同2日午前4時)はフジが放送する。

なお、日本が決勝トーナメントに勝ち上がった場合は、1回戦をフジ、準々決勝はNHK、準決勝はNHKかテレ朝、3位決定戦をフジ、決勝をNHKが担当する。

今大会は全64試合を史上初めて、インターネット放送局のABEMAが無料生中継する。W杯カタール大会を巡っては、日本の最終予選のアウェー戦が地上波中継されなかった。放送権が高騰したためで、スポーツ配信のDAZN(ダゾーン)がアジア・サッカー連盟(AFC)と契約を結んで独占配信した。

このため、日本が7大会連続7度目の出場を決めた3月のオーストラリア戦も、地上波生中継はされなかった。

そんな状況下で、本大会はABEMAが国際サッカー連盟(FIFA)と契約。日本のファンは、本大会全試合を無料視聴できることになった。

その上で、一部が地上波中継されることになり、NHKが21試合、テレ朝が10試合、フジが10試合を生放送する形に落ち着いた。

「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」のキャッチフレーズで長く日本代表の公式戦を生中継してきた実績のあるテレ朝は、日本が絶対に勝たなくてはならない1次リーグ第2戦を担当する。午後7時キックオフと最高の時間帯でもある。今回は早くも「運命の第2戦」と銘打って、気合十分だ。

また、フジは強豪スペインとの第3戦を放送する。かつて「フジがサッカー中継すると、日本代表は負けない」という不敗神話を誇った。日本が初のW杯出場を決めた97年11月の「ジョホールバルの歓喜」もフジの放送だった。

スポーツ局の植村敦チーフプロデューサーは「決勝トーナメント進出をかけたこのスペイン戦で、サムライブルーが今まで培ってきたストロングポイントを存分に出し切って、日本サッカーの未来へとつながる、ある意味歴史を塗り替える戦いとなることを期待するとともに、その歓喜の模様を余すことなくお届けできればと思います」などとコメントしている。

なお、日本戦以外でもピクシーことストイコビッチ監督のセルビア、かつて日本代表を率いたハリルホジッチ監督のモロッコの1次リーグ複数試合が、地上波生中継される。

 

◆W杯の視聴率 テレビの地上波放送はサッカー人気向上や競技の普及に、貢献してきた。W杯中継の平均視聴率の最高は2002年日韓大会の1次リーグ、日本-ロシアの66・1%。ビデオリサーチが統計を取り始めた1962年12月以降の数値をみても、歴代3位の高視聴率となっている。なお、同1位は63年の第14回NHK紅白歌合戦で81・4%。2位は64年東京オリンピック(五輪)の女子バレー、日本-ソ連の66・8%。