日本サッカー協会(JFA)は14日、FIFAワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮戦(21日=国立、26日=平壌)に臨む日本代表メンバーを発表した。性加害疑惑報道を受け、今年1~2月のAFCアジアカップ(アジア杯)から途中離脱したMF伊東純也(31=スタッド・ランス)は招集されなかった。
森保一監督は、伊東の選外理由について「一言で言うと、彼を守るために招集しなかったという判断をさせていただいた。彼のいま置かれている状況であれば、フランスリーグで出ている。我々も彼のパフォーマンスと状況を踏まえた上で、招集は可能だと思っているし、したいと思いました。しかし彼を招集した場合に、日本で彼を取り巻く環境が、どういう環境になるか想像した時に、彼が落ち着いて生活、プレーができる環境にならないと想像している。彼だけではなく、チームとしての活動も、チーム全体が落ち着いて活動できる環境にならないだろうなと、いろんな方が関心を持たれていると思うので。そうなった時に、彼の一番大事にしている家族への影響を考えると、今は招集しない方がいいのかなと判断させてもらった。彼を守るために見送った」と説明した。
JFAとしては招集可能だったのか聞かれると、山本昌邦ダイレクターは「選手としての力は監督も評価している。我々も、一刻も早くプレーができる環境を整えたいと思っている。その中で、専門家のご意見もうかがい、協会としてどう対応するか、議論を進めている。その中で、監督の決断に至ったと。選手を守るのもそうだし、お手伝いできることは、組織を編成してバックアップすること。今回はこういう決断になった」とした。
伊東の性加害疑惑を巡っては、アジア杯の最中に週刊誌報道で浮上。二転三転の末にチームを離れた後、フランスの所属クラブで普段通りリーグ戦に出場していた。
前節10日のリーグアン(フランス1部)第25節では王者パリ・サンジェルマン相手に5試合連続のスタメン出場を果たし、先制ゴールの起点となる活躍で2-2の勝ち点1獲得に貢献するなど復調はしていた。
性加害疑惑を巡っては相手側女性2人から刑事告訴され、逆告訴。先月19日には、代理人を務める加藤博太郎弁護士らが大阪地裁に女性2人に対する損害賠償請求額は2億243万3131円の民事訴訟に踏み切っていた。