北海道コンサドーレ札幌はセレッソ大阪に1-1で引き分けた。前半6分に先制を許した直後の同7分にMFチャナティップ(24)のゴールで追いついたが、勝ち越し点は奪えなかった。ゴール前まで攻めるも決めきれず、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は、ジャカルタ・アジア大会(14日初戦)に出場するU-21日本代表MF三好康児(21)へ、さらなる成長を求めた。勝ち点は31で、順位は5位に後退した。

 試合後のペトロビッチ監督の口から、珍しく個人名が飛び出した。「康児のラストパスがもう少し精度良く通っていれば、もっと決定的シーンが増えた」。この日を最後にチームを離れ、Uー21日本代表としてアジア大会に出場する、三好への叱咤(しった)だった。

 後半11分、カウンターで2点目を狙った場面が象徴的だ。ペナルティーエリア手前までボールを運んだ三好だが、ゴール前に飛び込む深井へのパスは、相手守備陣の網にかかった。再三の好機にボールには絡むが、得点を生み出す決定的な仕事はできず。三好は「自分ももっと視野を広く、お互い見合ってポジションに入れれば」と反省した。

 指揮官は普段から「1人の選手で勝利するわけでも、負けるわけでもない」と話し、個々のプレーに関する評価などは避ける。だがこの日、三好の名前をあえて出したのは、期待し可能性を感じているから。だからこそ主力として起用を続ける。「チームの成長がまだまだ足りない部分がある。コンスタントに試合に出ていなかった選手たちが、試合に出ながら結果を求めてやっていくには、我慢しないといけない」。シーズン終盤、そしてさらにその先を見据え、若手の底上げが必要だと考える。

 5月5日ガンバ大阪戦以来のホーム勝利はまたもお預けとなった。次節は中3日で15日アウェーG大阪戦。発展途上のチームを進化させつつ、それでも下位相手に取りこぼしは許されない。【保坂果那】