コンサドーレ札幌はリーグ再開となる4日、横浜FCとアウェー(ニッパツ)で対戦する。3日は千葉市内で前日練習を行い、ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)がオンライン取材に対応した。「110点だ」と自信を見せるチームの仕上がりで、再開初戦の勝利を目指す。

ペトロビッチ監督は期待と高揚で胸が高鳴っていた。2月22日に柏レイソルとのリーグ開幕戦を戦って以降、ストップしていた試合のある日々が戻ってくる。「私も選手たちもサッカーに関わる全ての人たちが、スタートを待ちわびていた。いいスタートを切れれば」。幸先良く横浜FCから勝ち点3を手にするシナリオを描く。

自信はある。チームの仕上がりを何点か問われると、「110点だ」と100点満点を超える評価を口にした。リーグ中断中、1カ月以上の全体練習休止や感染対策によって制限された練習、札幌だけが行っている現在のキャンプ生活での調整。そんな厳しい状況でも「選手たちはプロフェッショナルにトレーニングに励んでくれた。与えられた環境の中でマックスの準備をしてくれた」。そうたたえて、うなずいた。

これまでとは違った試合環境となる。観客のいないリモートマッチだ。浦和監督時代の14年に清水エスパルスとの無観客試合を経験している指揮官は、当時を「ショックだった」と振り返る。「公式戦を戦っている感じがしない。集中力を切らさないこと」と、経験から得た戦い方を選手に求める。従来の3人から5人に広がる交代枠については「若手を育てる、チャンスを与える機会と前向きに捉えたい」と活用していく方針だ。

依然、日本中が新型コロナウイルスとの戦いが続く中でのリーグ再開。「少しでも前向きで人々を幸せにできるようなサッカーを見せられればいい」と願う。画面を通して応援する「リモーター」が笑顔になる90分を約束した。【保坂果那】

<中断期間の主な出来事>

◆3月15日 1月からのキャンプを終え、札幌・宮の沢での全体練習を開始。通常は公開している一般の見学を初めて自粛した。

◆21日 カシマスタジアムで鹿島アントラーズと無観客での練習試合を行った。DAZNで生配信された。

◆4月6日 クラブが選手一同から報酬の一部返納の申し出を受けたことを発表した。

◆15日 チームの活動を休止した。当初は1週間程度のオフの予定だったが、そのまま活動ストップ。選手は自宅待機を指示された。

◆5月11日 グラウンドのみ開放し、自主トレ許可。

◆12日 クラブハウスの抗菌化に着手。壁紙のコーティングや殺菌装置を設置。

◆18日 クラブハウスでのトレーニングを許可した。

◆25日 グループ練習を開始。1組約6人でコーチが指導。

◆29日 GKク・ソンユンの韓国・大邱への完全移籍を発表。

◆6月1日 49日ぶりに全体練習を再開した。

◆22日 千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで関東キャンプをスタート。