横浜FCのFWカズ(三浦知良、53)が23日の川崎F戦で先発する可能性が出てきた。22日に下平隆宏監督がオンライン取材に応じ、カズの今季2度目のベンチ入りを明言し、先発の可能性も示唆した。53歳6カ月29日での出場となれば、中山雅史(当時札幌)の45歳2カ月1日のJ1最年長出場記録を大幅に更新する。同監督はカズと42歳のMF中村俊輔、39歳のMF松井大輔の同時起用もほのめかし、「134歳トリオ」で首位撃破に挑む。

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カズがリーグ最多得点・最少失点の首位相手に、キャプテンマークを巻いて先発のピッチに立つかもしれない。20日の大分戦から中2日だけに、下平監督はメンバー変更に触れ、カズのベンチ入りを明言。その上で「スタートでいくか、途中からかは明日の楽しみにしてほしい」と言及した。

13年ぶりにJ1に戻った今季、カズがベンチ入りするのは13日の名古屋戦に続き2度目。名古屋戦は出場はなかったが、上位相手に3-2で競り勝った。今節から後半戦に突入するにあたり、指揮官は「前回もチームの士気も上がりましたし、後半の初っぱなでチームに勢いをつけてもらうためにも今回もカズさんの力が必要」と期待を寄せた。

カズが出場すれば、07年12月1日の浦和戦以来のJ1のピッチになる。これまでJ1の最年長出場記録は、12年11月24日の横浜戦に途中出場した中山の45歳2カ月1日。先発なら土屋征夫(当時甲府)の42歳3カ月3日で、いずれも大幅に更新する。

また、下平監督は42歳のMF中村、39歳のMF松井にも触れ、「中2日でベテランの力が必要かなと思っています。もしかしたら、レジェンドがそろう可能性が十分にあります」と明かした。3人がそろうとなると、同時の先発の可能性が最も高い。カズ、中村、松井の「134歳トリオ」がリーグで初めて同時先発の期待もかかる。

サッカーファンが待ち望むのはカズの得点。得点すれば、94年に磐田戦で得点したジーコ(当時鹿島)の41歳3カ月12日の記録を大幅に更新する。リーグ最少失点の難敵を相手に、ソーシャルディスタンスを守った「ひとりカズダンス」を踊るべく、カズが等々力の地に向かう。【岩田千代巳】

◆50代の1部リーグ出場 世界を見ると、元イングランド代表FWマシューズがストーク在籍時の1965年2月6日のフルハム戦に50歳5日に出場。最近では、モンゴル1部FC墨田ジェプロの54歳8カ月のオユンビレグが今年9月12日のFCウランバートル戦に途中出場。その様子がSNSで流れ話題となった。