北海道コンサドーレ札幌は仙台に3-3で引き分けた。前半25分にFWアンデルソン・ロペス(27)のヘディングで先制するも、後半12分までに3失点。同14分にロペスが1点を返し、同16分にはFW菅大輝(22)の同点弾で追いついたが勝ち越せなかった。入場制限が緩和され今季最多5339人が集まった本拠地で、リーグ戦9戦ぶりの白星、J1クラブ通算50勝は果たせなかった。

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死力を尽くして戦い抜いた札幌イレブンに惜しみない拍手が送られた。入場制限緩和に伴い今季最多5339人のサポーターが集まった10月初戦。本拠地でのリーグ戦9試合ぶり白星を願ったからこそ、ホイッスルに会場はため息に包まれた。ただそれも一瞬。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「勝利はできなかったが今日の頑張りは誰も批判することができない。気持ちのこもったゲームを見せてくれた」とたたえた。

前半25分にFWロペスがヘディングで先制点。「金子がタイミング良く折り返してくれた。自分はスペースを信じて入った」。0-4で敗れた9月26日前節神戸戦と同様に先発平均24・36歳のヤングコンサで挑んだ一戦。4試合ぶり得点は大卒新人MF金子がDF福森からのロングパスに抜けだし頭で折り返して生まれた。攻撃が機能したからこそ指揮官が「勝利を遠ざけた」と悔いたのが後半の立ち上がり。後半2分に同点を許すと、マークが甘くなった5分、12分にも連続失点。FW菅も「自分たちの甘さが出ていた」と反省した。

それでも4戦ぶり白星へあきらめなかった。3点目を献上した2分後にロペスが2点目を決めると、16分にはMF高嶺からパスを受けた菅がペナルティエリアで逆足の右足シュート。追いついた勢いで攻勢をかけ続けた。後半33分に交代した福森を含め激しい攻防に足をつる選手が続出。それでも後半42分に1度ピッチを離れながらロスタイムに再び戦いの場に戻った金子の姿に象徴されるように、最後まで勝ち点3を求めた。

戦前まで9戦連続未勝利の相手から白星こそ挙げられなかったが、若手主体のチームで指揮官が標榜する超攻撃サッカーは示せた。22歳の菅は言う。「6点ぐらい取れてもおかしくない試合。取りこぼさないことが今後大事になってくる」。ゴールを取り続ければ、おのずと勝利も近づいてくるはずだ。【浅水友輝】