コンサドーレ札幌はホームで鹿島と2-2で引き分けた。2点ビハインドから1点差に詰めた後の後半25分、FWアンデルソン・ロペス(27)がリーグ4試合連続ゴールをPKで決め、勝ち点1をもたらした。J1リーグでの4試合以上の連続得点はクラブ史上5人目。今季リーグ8戦8発でJ1得点ランキングトップに立つ点取り屋が、存在感を発揮している。

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ロペスはペナルティーマークから離れることなく、集中していた。MF金子が獲得したPKは、VARによって判定され、約5分間待たされた。後半25分、PKが確定するとボールをセット。いつもの独特なステップと間合いで左足を振り抜くと、ゴール左のネットを揺らした。同点ゴールだ。「落ち着いて決めることができた。冷静に自分の形で蹴ることができれば、決められる自信があった」と、余裕を漂わせていた。

チームメートからも安心して任されるPKの決定力。19年3月9日清水戦(5○2)で札幌移籍後初ゴールを決めたのもPKだった。試合2日前や前日は、居残りでPKを練習する姿が多い。9日はグラウンドの隅でMFルーカスとのブラジル人コンビでキッカーとGK役を交代で、確認していた。「コツは言わない」と企業秘密のGKとの駆け引き。「練習の積み重ね」と胸を張る。今季は4点をPKで決めている。

クラブ記録に王手をかけた。札幌のJ1個人連続試合得点の最長は5。4試合以上の連続は史上5人目となった。ロペスは4戦6発という爆発力で「ある程度満足できる得点が取れている」とうなずく。リーグ戦は1試合1得点ペースで量産中で、リーグ最多をキープする。広島時代の17年以来4季ぶりの2ケタ得点は目の前だ。

立ち上がりの2連続失点でビハインドの苦しい展開からの勝ち点1。「最後まで諦めず、全員で追いつこう、逆転しようという気持ちで戦った点に関しては良かった」と振り返る。次節クラブ創設25周年を迎える16日ホーム横浜戦でもロペスがゴールを決める姿を、サポーターは待ち望んでいる。決め続けることができれば、チームを浮上させることは間違いない。【保坂果那】

◆札幌のJ1リーグ戦の個人連続試合得点 J1、J2の2部制導入前の98年、FWバルデスが第1ステージ第11節神戸戦から第15節広島戦までクラブ最長5試合連続でゴールし、計8得点を挙げた。01年FWウィル、08年FWダビ、18年FW都倉が4試合連続ゴールをマークしており、4戦以上の連続試合得点はFWアンデルソン・ロペス(4戦6発)がクラブ史上5人目。Jリーグ記録は97~98年のFWサリナス(横浜M)の8試合連続が最多。

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