北海道コンサドーレ札幌は16日に創設25周年を迎える。96年のクラブ誕生翌年の97年から選手、指導者として、札幌一筋でクラブを支えている存在がいる。赤池保幸GKコーチ(46)だ。クラブの歴史をほぼ知る古株だ。クラブの節目に「すごいですよね、四半世紀。クラブは本当に大きくなった」と感慨にひたる。

法大卒業後の97年に札幌でプロ生活をスタートさせた。現在は札幌市内に専用のクラブハウスと練習場を構えるが、当時チームは栗山町内で練習していた。車で片道約40分。ルーキーだった赤池GKコーチはFW吉原宏太氏、DF大野貴史氏ら若手と車を乗り合ってガソリン代を節約しながら通っていた。

当時の札幌はGKコーチ不在だった。「わからないことだらけだった。今では絶対にあり得ない」と振り返る。現役生活は2年間で幕を閉じた。選手時代に指導者もおらず、苦しい時間を過ごした。だからこそ現在GKコーチとして「選手に寄り添うというところは意識している部分」という。

現役引退後の99年から02年までU-15、U-18のGKコーチ、03年から06年まで育成普及部GKコーチ、07年から現職のトップチームのGKコーチを務める。クラブへの思い入れは「人一倍あると思う」と言い切る。だがクラブを離れることを考えた時もあった。そんな時に清水東高時代の先輩でもある野々村芳和社長(48)に引き留められて思い直した。「今は残って良かったと思う。社長は高校の時からお世話になった。社長のために頑張ろうかなって思う」。

心掛けていることがある。「コーチは常に向上心を持って、アンテナを高くして勉強しないといけない」。コロナ禍前のオフシーズンは毎年スペインなど海外のクラブへ視察し、練習方法を参考にしていた。全てはクラブの発展のため。「目指しているACLにたどり着くようなクラブになるように尽力したい。そういうクラブになって欲しい」と願う。

最後にぽつりと言った。「クラブは変わったけどサポーターの温かいサポートは変わらない」。これからも札幌とともに歩み、新しい景色を見ていく。【保坂果那】