コンサドーレ札幌は横浜に1-3の逆転負けを喫し、クラブ創設25周年記念試合を3試合ぶりの勝利で飾れなかった。後半2分、FWアンデルソン・ロペス(27)がクラブJ1最長タイ記録となる5試合連続得点で先制したが、試合をひっくり返された。白星につながるゴールとはならなかったが、クラブの歴史に名前を刻む1発となった。

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札幌は25周年を迎えたクラブの成長を見せるべく、93年Jリーグ発足時加盟のオリジナル10、横浜との試合に臨んだが、勝ち点3には届かなかった。FWロペスの5戦連発で先制も、後半35分からの連続3失点。悔しい逆転負けにペトロビッチ監督(63)は「最後10分で決定的仕事をしたのはマリノス、出来なかったが我々だ」と振り返った。

先制まではメモリアルゲームにふさわしい内容だった。ロペスの快挙だ。後半2分、左CKからの折り返しに倒れながら頭でねじ込んだ。ゴール裏のサポーターから拍手を受け、天を仰いで神様への感謝を表現した。98年FWバルデス以来、クラブ2人目のJ1リーグ5試合連続得点。「うまいかたちで決めることが出来てうれしいが、チームが勝てなかったことが残念だ」と複雑な表情だった。

昨春、新型コロナウイルスの影響で全体練習が休止になった時期、ロペスは毎日クラブハウスに通い自主トレをしていた。そんな姿をクラブ関係者も見ていたからこそ、家族を想ってブラジルに一時帰国を申し入れた際に認められた。19年はケガの治療のため一時帰国。再来日が遅れた影響で昨季は24試合9得点。札幌での過去2年、シーズンを完走したことがない。今季は「ブラジルに帰ることがないように」とフルシーズンの活躍を誓っている。

ルヴァン杯を含めれば出場6戦連発と絶好調だ。「勝てなかったけどクラブの歴史に名を刻めたのはうれしい」と前を向く。リーグ得点ランキングは9得点で首位。1試合1得点ペースをキープしており、01年FWウィル(24得点)以来クラブ史上2人目のJ1得点王へ突き進む。FWとしての仕事を続けるロペスの活躍はこれからも不可欠だ。【保坂果那】

ロペスの前節までの4戦連発VTR

◆3月20日神戸戦(札幌ドーム、3●4) 前半にPKで2得点を決めると、後半1分にも右足で決めハットトリックを達成。

◆4月3日福岡戦(ベスト電器スタジアム、2○1) 前半30分に駒井の山なりのパスに対し、相手DFと競り合いながら頭に当て、ゴール右に先制ゴール。

◆4月7日東京戦(味の素スタジアム、1●2) 2点を追う後半38分、菅の左足ボレーシュートにゴール前で体に触れ、ゴールを決めた。

◆4月11日鹿島戦(札幌ドーム、2△2) 1-2で迎えた後半25分、金子が倒されて得たPKを、フェイントを入れながら左足でゴール左に決めた。

▽札幌ペトロビッチ監督(63) 選手たちは最後まで諦めず全力で戦ってくれた。最後の10分、決定的な仕事をしたのがマリノス、出来なかったのが我々だ。悔しい敗戦。

▽後半途中から今季初出場し、昨年11月21日清水戦での左足大ケガ以来、約5カ月ぶりの試合復帰を果たしたMF荒野 素直に戻って来られてうれしい。ケガしてから支えられた人たちに感謝の気持ち。次は勝利に貢献できるように頑張りたい。