北海道コンサドーレ札幌は横浜FCとの最終節を1-0で勝利し、2連勝で最終順位10位で締めた。

前半6分、FW小柏剛(23)が先制点を決め、リードを守り切った。ペトロビッチ監督(64)体制4年目は、指揮官不在のキャンプ始動、ケガ人続出、主力の移籍などを乗り越え、戦い抜いた。今季苦しんだ経験を、来季J1上位進出へのステップとする。

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札幌は今季ラストゲームを白星で終えた。立ち上がりから相手を崩し、開始6分。MFチャナティップからのボールに小柏がダイレクトで右足を合わせた。今季のチーム内得点ランキングで金子と並ぶ2位となる7点目を奪った。その先制点が決勝ゴールとなった。2戦連発。「1年間通してもっともっと決められるところはあったので、来年につなげられる試合になったので良かった」と振り返った。

ペトロビッチ監督(64)は激動のシーズンを終えた安堵(あんど)感と満足感を漂わせた。1月、オーストリア帰国中に左大腿(だいたい)骨を骨折してキャンプ不在。2月の開幕直前にチームに合流した。「不安なスタートだった。チームとしても難しかった」と振り返る。開幕後はチームは常にケガ人を抱え、全員がそろって練習する日はほぼなかった。エースだったアンデルソン・ロペスも夏で移籍。チャンスはあるが決めきれない。得点力不足を課題にした1年だった。

それでも5年連続のJ1残留を決め、終わってみれば20チーム中10位。今季の勝てそうで勝てなかった試合の勝ち点分を来季積み上げられれば、上位進出は可能だ。来季のエース候補、小柏は誓う。「ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)出場圏内をチームとしての目標にしている。僕のゴールで貢献できたら」。

全38試合出場を達成したMF金子も高嶺もまだ2年目。若手主体で戦い抜いた。だから指揮官の心配事は1つ。「他のチームにとって魅力的な選手がいる。みんなが(来季も)残ることを心から願っている」と主力の流出を心配する。残留すれば今季の戦いをベースに「来季は高みを目指す」の言葉も実現できる。【保坂果那】

MF宮沢 フル出場し完封勝利に貢献した。負傷交代続出にも動じず、守備の要を担った。今季は29試合に出場し、Jリーグ通算427試合(J1は178試合)でクラブ最多を更新中。15年目の来季は「安定した戦いを見せればタイトル争いに絡める。レベルアップして上位で戦えるように」と、さらに数字を伸ばすつもりだ。