16強が出そろった欧州チャンピオンズリーグ(CL)は、来年2月に決勝トーナメント1回戦が行われる。それに先がけ、今月16日にスイス・ニヨンで組み合わせ抽選会が行われる。
英BBC(電子版)はスポーツ分析専門会社「Opta」の統計学者ダンカン・アレクサンダー氏の言葉を紹介。同氏は「ジョゼ・モウリーニョ監督が率いるマンチェスター・ユナイテッドと彼がかつて指揮したポルトは、他のクラブが対戦したがっている2チームだろうね」と話し、マンUとポルトが「ラッキーで」決勝Tに進出したと力説した。
その根拠となるのがエクスペクテッド・ゴール(xG)という数字。これはすべてのシュートについて蹴った位置や強さ、DFまでの距離など、さまざまな要素を分析。そのシュートが結果的に得点になったかどうかは別にして、内容的に「決まるべきゴール」だったかどうかを数値化したもの。
例えば11月28日の欧州CL1次リーグ・PSV対バルセロナ戦は2-1でバルサが勝利したが、テレグラフ紙(電子版)によるとxG値では3.1-2.1でPSVが上回っていたという。これは決めるべき場面でゴールが決まっていればPSVが勝っていたという意味。プレーの内容はPSVの方が勝っていたということになる。
ポルトはCL1次リーグD組を5勝1分けの勝ち点16、得失点差9で1位通過した。しかしOptaのアレクサンダー氏によると、xG値による得失点はゼロだという。またH組2位のマンUは3勝1分け2敗で得失点差3だったが、xG値では得失点差はマイナス。相手チームの「決まるべきゴール」の方が多かったという結果となった。
xG値がマイナスになったのは16強の中ではマンUだけだという。攻撃面ではクオリティーが低く、守備面では相手に完璧なゴールを決めらることが多かったということで、これでは相手チームから対戦を熱望されてしまうのも無理はない。
最後に、米CBSスポーツ(電子版)で総合的な16強のランキングを掲載していたので紹介したい。個人的にはブンデスリーガ首位ドルトムントと、CLではすさまじい勝負強さを発揮するレアル・マドリードはもっと評価されるべきだと思うが、読者のみなさんはいかが思うだろうか。
●1位マンチェスター・シティ
●2位ユベントス
●3位リバプール
●4位バルセロナ
●5位パリサンジェルマン
●6位アトレチコ・マドリード
●7位バイエルン・ミュンヘン
●8位トットナム
●9位レアル・マドリード
●10位ボルシア・ドルトムント
●11位マンチェスターU
●12位ローマ
●13位アヤックス
●14位リヨン
●15位ポルト
●16位シャルケ
【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)