国際サッカー連盟(FIFA)カウンシルメンバー=理事の田嶋幸三氏(68)が31日、名誉会長を務める日本サッカー協会(JFA)を通じ、FIFAの子会社設立案に強く反対した。

FIFAのジャンニ・インファンティノ会長(56)が、世界最大級イベントのワールドカップ(W杯)をはじめとする主催大会の商業活動を主に担う子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」の設立を提案。一部株式を外部投資家に売却することで商業主義を今まで以上に加速させ、伝統あるW杯の形態そのものが崩れる懸念が出ている問題について、田嶋氏が反対するステートメント(声明)を出した。

欧州連盟(UEFA)はボイコット案を示すなど世界が反発する中、田嶋氏もFIFA理事の立場で、スタンスを明確にした。

JFAが「今回のFIFAの一件に関して、田嶋幸三FIFAカウンシルメンバーのコメントをお伝えします」とした全文は、以下の通り。

「今回のFIFA会長による『FIFAフォワードエンタープライズ』設立の提案について、非常に残念に思います」

「FIFAは世界のサッカーの統括団体として、競技を守り、発展させていかなければなりません」

「先週閉幕した北中米ワールドカップでの理解しうる説明のなされていないレッドカードの適用延期や、決勝での長いハーフタイムの実施など、競技規則に則って行われるべきサッカーの本来の価値は独立して守られるべきで、商業的な要素やその他外部からの影響を受けるべきではありません」

「これまで120年以上をかけ、世界のフットボールファミリーが大切に育ててきたFIFAの競技会に、商業的利益を至上命題とする外部の投資が入ることで、競技のためではなく、利益追求のための決定が優先されることになり得ます。これを受け入れることはできません」

「今回の提案は、211のFIFA加盟協会に対して、民主的に、つまり、多数決の原理で決めたいという文書が唐突に送られました。組織として、FIFAカウンシルでも本質的な議論が行われていないまま、加盟協会の多数決で決定することには憤りを覚え、FIFAカウンシルメンバーとして反対します」

「FIFAは、世界で愛されるサッカーをいう競技を、健全に成長させる統括団体でなければなりません FIFAカウンシルメンバー 田嶋幸三」(原文まま)

騒動を巡っては、FIFAもこの日、声明を出して「サッカーを売り渡そうとしているわけではない。メデイアの誤報」と強調したものの、全く火消しには至っておらず、非難の逆風が吹き荒れている。