【モンテレイ(メキシコ)19日(日本時間20日)】日本(FIFAランキング18位)のエースが“綺世キャノン”で初弾を奪う。W杯北中米大会1次リーグ第2戦のチュニジア(同45位)戦に向けて公式練習。連続先発とみられる背番号18のFW上田綺世(27=フェイエノールト)が、代表では1度もないペナルティーエリア(PA)外からのミドルシュートで、記念のW杯通算1000試合目を飾る。チュニジアとは過去5勝1敗。W杯では02年日韓大会1次リーグ第3戦で当たり2-0で勝っている。
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初戦不発のFW上田が、闘志をほとばしらせた。オランダ1部エールディビジの今季得点王が、世界舞台3戦目で初得点へ。14日のオランダ戦後は別メニュー調整した日もあったが、前日は軽快な動きで「シュートチャンスをつくれる感覚はあるし、より得意な形でボールを受けたい」と自身初のW杯弾を予感させた。
それは、代名詞の強烈なシュートで狙う。左右両足から放たれる上田のパワフルなキックは「音」から違う。低く鈍い衝撃音とともにネットに突き刺すシュートは、その音を聞くだけで誰によるものか分かることで有名。「史上最強」の日本代表でも別格と言える。
25得点を挙げたオランダ1部では、クロスからの得点など92%がPA内で決めたもの。一方で、外から足を振り抜いてもトップレベルにある。引いて守ってくることが予想できるチュニジアに対して1トップで打開を図る中で、宣言した。
「ミドルを狙っていく」
うかがうは“綺世キャノン”の発動チャンスだ。相手が下がることで生まれたスペースを見逃さず、PA内の得点率100%=外からのデータがない初のミドル弾を、たたき込む気だ。
驚異的シュート力は、誰よりも数を重ねてきたことで生み出された。「小さい頃から打っている本数が違う。誰よりも打ってきた。生涯の本数が違う」。具体的な数字こそ口にはしないが、そう自負する鍛錬で培われた鋭い弾道と正確さ、力強く重い球で、日本を見たことのない景色へ導く。 夢も背負う。25年10月から、ストライカー番号とされる「9」から「18」に変更した。元ドイツ代表FWクリンスマン好きの父晃さんがつけていた数字。日本協会に長く出し続けてきた希望が、実績を積み上げたことで実現した。自身にとっての“エースナンバー”で戦う大舞台に「世界で一番大きな大会で、自分の思い入れ、こだわりのある18番をつけて日本代表としてプレーさせてもらえる。これ以上ない幸せ」。FIFAランク18位から「最高の景色」への覚悟も重なる。
4年前のカタール大会はコスタリカとの第2戦で先発も、無得点の前半だけで交代。チームも敗れ、以降の試合で上田の名が呼ばれることはなかった。借りを返す旅は、ゴールがなければ始まらない。海外W杯では日本初となる2戦目の勝利を射止める。【永田淳】
◆上田の得点パターン 25-26年シーズンはオランダ1部リーグで25ゴールを挙げて日本人初の得点王を獲得したが、PKの1点を含め23点がペナルティーエリア(PA)内からの得点で、全体の92%を占めた。ヘディングでのゴールが9点あるなど、ゴール前で味方のパスをワンタッチで合わせた形が多く、遠めのPA外からの得点は2点だけだった。日本代表の国際Aマッチでも通算16得点はPKの3点を含め全てPA内から決めており、PA外からのミドル弾はまだない。


