日本代表(FIFAランキング18位)が、1次リーグ最終戦でスウェーデン代表(同38位)に1-1で引き分けた。1勝2分けの2位で、決勝トーナメント進出を決めた。日刊スポーツの担当記者がゲームの機微や舞台裏に迫る「Nikkan eye」では、“プレミア3トップ”への日本の対策にフォーカス。FWイサク(26=リバプール)、ギェケレシュ(28=アーセナル)、エランガ(24=ニューカッスル)の強力攻撃陣を封じた3バック+2ボランチの守備を掘り下げる。

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「3対2」に集中するはずだった。日本3バックとスウェーデン2トップ。この戦いを凝視すると決めていた。しかしふたを開けたら「3対3」。世界最高峰のプレミアリーグで活躍する3人に、日本のDF3人が相対する構図だった。

当然2トップだと思い込んでいた。イサクとヨケレス。1次リーグ2戦でコンビを組み、1点ずつ挙げた。前日取材でDF渡辺は「強力2トップに3人で対応する」と明かし、対策は念入り。しかしメンバー表を見て驚いた。1-5の第2戦オランダ戦で得点した高速FWエランガが初先発した。

日本にとっては「想定外も想定内」だった。対策は“ほぼ完璧”。3-5-2の並びを想定したが、試合開始後に3-4-3と判断。攻撃時に前線に3人を並べる相手に、3バックをそのままぶつけた。中央ギェケレシュを188センチの板倉が、左FWイサクを186センチの瀬古が、右FWエランガを188センチの伊藤が1人ずつマーク。世界的3人を、高身長の3人で迎え撃った。

サッカーのセオリーは「+1」。相手が2人なら3人で、3人なら4人で守る。守備側は1人余るのが基本のはずだった。しかし現代は違う。前線からプレスをかけ「1対1」で見る形が当たり前。それに日本も適応。世界と戦えていた。

攻撃の「想定外」にも対応。自陣からパスをつながれると想定したが、GKからロングボールを蹴ってきた。板倉と代わった谷口も含め、競り勝ち続けた。後半にギェケレシュが激怒するほど、厳しくマーク。90分でボールを16回受けようとしてパスを引き出せたのは2回だけ。成功率12・5%だった。イサクも36回動き、パスが出たのは6回。16・7%に抑えた。大敗したオランダ戦ですら、27・5%と27・8%あった。味方がパスを出せない状況を日本がつくったことが分かる。

何度か起点はつくられても、ボランチの2人が救った。個人的にはMVPにMF田中を推したい。攻守のあらゆる局面に顔を出した。前半10分、エランガがスピードに乗る直前につぶし、19分にはギェケレシュを板倉と瀬古で挟んだところに加勢。鎌田と協力し、こぼれ球を回収した。

田中は「うまい」が最大の武器と思っていたが、違う。「高い」守備意識と「早い」切り替えで相手を制圧。3拍子そろった日本の要だった。

また、勝ち点1を得た要因は森保監督の一手。後半30分にDF長友と渡辺の投入は「引き分けOK」のメッセージを明確に伝える交代だった。終盤、攻め込まれ「3対3」が機能不全に陥りかけた。右サイドに張り出したエランガに苦戦し、失点もした。対人に強い長友を、相手を消すことに専念させた。良い意味で、長友自身も目立たなくなるほど相手を消した。試合を通してエランガからイサク、ギェケレシュへのパスは0本。個人技のゴールは許したものの、終始孤立させた。

この試合で3トップ対策はほぼ成功。決勝Tは、強いFWがゴロゴロいる。まずはブラジル。日本の真価が問われる。【飯岡大暉】