ニューイヤー駅伝が来年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間(100キロ)で行われる。21世紀に入って優勝8回のコニカミノルタには、青学大を箱根駅伝連覇に導いた「山の神」神野大地(23)が加入。他チームのエースに対して平地区間でも対等の勝負を挑めるまでに成長した。東日本予選は主力に故障者が多く出て7位と大敗したコニカミノルタが、本番での巻き返しを図る。

 東日本予選の神野は最長区間の2区(15.3キロ)で区間3位。実業団入りして初の駅伝を「85点」と自己採点したが、スローペースで牽制し合う展開に「イメージと違った」と、戸惑いも感じたレースだった。

 だがニューイヤー駅伝の4区(22キロ)は間違いなく速い展開になる。前回大会で4区の区間記録を樹立し、今回も区間賞候補の設楽悠太(25)が区間記録更新を宣言しているからだ。

 神野は東日本予選から3週間後の熊本・甲佐10マイル(約16キロ)に出場。日本選手でただ1人、カレミ・ズク(トヨタ自動車九州)エドワード・ワウエル(NTN)らの外国人のトップ集団で走り、今井正人(32=トヨタ自動車九州)、井上大仁(23=MHPS長崎)ら九州地区のエースに先着して日本人トップでゴールし、ハイペースのレースにも対応できることを証明した。「この1年間、上りだけの選手ではなく、ニューイヤー駅伝の3区(13.6キロ)、4区、5区(15.8キロ)を任せてもらえるランナーになろうと頑張ってきました。長い距離の区間で自分の力を発揮して、チームを押し上げる走りをしたい」と社会人になってからの自身の成長に手応えを感じている。

 チームの優勝には神野以外の選手の走りも重要になる。しかし4区を何度も走ってチームを優勝に導いてきた宇賀地強(29)は故障で、3~5区の長い距離での起用は難しい状態だ。また2年前に新人ながら4区を任された設楽啓太(24)も、1万メートルで27分台を出した頃の勢いがない。前回3区で区間2位の菊地賢人(26)も練習の中断が数回あり、1区で区間3位の西池和人(23)も11月に脚を痛めた。

 逆に好材料は山本浩之(30)と谷川智浩(27)の2人が、この1年間のマラソンで結果を残していること。山本は11月のニューヨークシティマラソンで4位と、同大会の日本人過去順位を記録。谷川は9月のシドニーマラソンで優勝した。駅伝でも山本は前回のニューイヤーで5区の区間賞、谷川は東日本予選で7区の区間賞と結果を残している。

 1区と3区を分担すると思われる設楽と菊地で、大差をつけられずに乗り切れば、4区以降に登場すると予想されている神野、山本、谷川で優勝争いに加わることができる。コニカミノルタの強みは本番に向けた調整力だ。2大会連続で2位に甘んじた強豪が元日の群馬で9回目の栄冠に挑む。