地鳴りのような大歓声が響く中、最後の直線で驚異的な“末脚”を見せつけた。男子1万メートルはソマリアで生まれ、8歳で英国に移住したファラーが3連覇を達成した。

 ゴール後は観客席から連れ出した4人の子どもたちと場内を1周。今大会を最後にトラック種目から引退し、ロードレースに本格参戦する34歳のランナーは「特別な瞬間だ」と感慨に浸った。

 指導を仰ぐサラザール・コーチにドーピング違反の疑いが浮上。ファラー自身にも疑惑の目が向けられているが「一生懸命に練習すれば、何事も可能だ」と潔白を強調する。残るレースは5000メートルで、昨夏のリオデジャネイロ五輪に続く2冠を狙う。