東洋大が、11時間2分32秒で2位に入って史上6校目の10年連続3位以内を決めた。

 往路優勝で2位青学大と36秒差でスタート。山下りの6区で逆転されたが、10区小笹椋(3年)が区間賞を獲得するなど3年連続で総合2位。メンバー10人のうち4年生は9区小早川健だけで9人が残る。酒井監督はチームカラーになぞらえ「鉄紺(てつこん)の逆襲の1歩」と表現。来年は青学大の5連覇を阻止する。

 山下りで逆転された。東洋大の6区今西は、15キロ付近で青学大・小野田に並ばれた。必死で食らいつくも52秒差をつけられた。「誰が見ても自分が全てを崩してしまった」。続く7区で青学大・林の区間新で差は3分28秒。酒井監督は「往路に主力を持っていったが、36秒差が有効打にならず。つなぎの7区で、ジャブではなく、ストレートをもらった。力負け」と分析した。

 逆転で総合優勝は逃したが、明るい光はある。1年4人、2年3人の下級生中心で3年連続総合2位。3年の10区小笹は「1、2年が頑張っているのに情けない走りはできない」と区間賞を獲得。酒井監督も「今年は鉄紺の逆襲の1歩。来年はメンバーが9人残る。真っ向勝負できる力がないと(青学大の)5連覇は阻止できない。来年は3つ(3大駅伝)を狙う」と3冠という高い目標を掲げた。

 指揮官は私情を捨て、勝てる選手を使う。メンバー唯一の4年、9区小早川は言う。「僕も1年の時に調子が良くて、勝つために当日変更で試合に選んでもらったことがある。それが10年連続3位以内につながっている。それは皆、受け止めてやっている」。鉄紺のおきてに従って、これから逆襲が始まる。【益田一弘】