日本歴代6位の2時間5分51秒を持つ山下一貴(29=三菱重工)が、2時間10分49秒で金メダルを獲得した。日本勢の優勝は18年ジャカルタ大会の井上大仁以来で、史上5人目。井上は同じ三菱重工に所属する先輩で、山下は「先輩方がメダルをとってきているので、周りからの期待も金メダルっていう期待がすごく多かった。金メダルをとることができて、心底ほっとしています」と胸をなで下ろした。
17キロ付近で16人の先頭集団がばらけ始めた。ペースが上がり、山下は一時先頭から離れたものの、じわじわと差を詰めた。テレビ中継で解説を務めた青学大の原晋監督は「山下君が一番冷静に走っている。非常にいい走り」と評価した。
山下は35キロ手前で先頭に立った。その後、先頭集団が2人に絞られると、37キロ手前では2位のバルワル(インド)との差を約6秒に広げた。40キロを越えても後方を振り返らず、原監督は「後ろを向かない。自分の走りに集中している」と語った。競技場に入ると帽子を取り、フィニッシュラインを越えた瞬間、笑みがこぼれた。
沿道からの声援については「日本の声援が多くて多くて、とても力になりました」と感謝。「これだけで終わらせずにつなげていきたい」と話した。
23年世界選手権ブダペスト大会代表歴を持つ山下は、今年2月の大阪マラソンでは今季国内4位の2時間6分18秒をマークし、日本人2位と結果を残した。
32年ぶりの国内開催となったアジア最高峰のレースを走りきった。

