日本の獲得メダル数が過去最多だった平昌大会を超えた。選手たちが「悔しい~」というメダルも少なくないし、期待の大きさからすると正直残念に思うメダルもある。それでも、メダルはメダル。色がどうでもラッシュは喜ばしい。
ただ、無理な大騒ぎには疑問もある。スノーボードの村瀬心椛は冬季日本女子最年少だというが、年齢制限がなければ平昌金メダリストを破ってXゲームで優勝した13歳の時にメダリストになっていたかもしれない。浅田真央のメダルも4年早かっただろう。
スピードスケートの高木美帆は日本女子最多の6個目のメダルを手にした。ただ、1大会1個の谷(旧姓田村)亮子を「抜いた」はどうか。もし当時から柔道団体戦があれば、10個とっていたかもしれない。対象が浅田や谷だから、比較しやすいのだろうけど。
もちろん、どのメダルも素晴らしい、選手たちが命がけで努力した結晶。何よりメダルは本人だけではなく、競技そのもの、子供たち、地元を元気にする。
村瀬は岐阜県出身。岐阜第一高の先輩でもあるモーグル男子銅の堀島行真に続いた。98年長野五輪ショートトラック男子500メートル銅の植松仁以来のメダルに、岐阜は盛り上がる。
かつて冬季五輪は「北海道の大会」だった。北海道の選手が出て、北海道の選手が活躍した。初めて「冬物担当」を命じられた80年代後半、デスクに「北海道(本社)に任せればいい」と冷たく言われた。冬季五輪への温度差があった。
平昌大会まで、日本の冬季五輪メダルは58個。複数獲得者や団体種目などでメダリストは62人になる。うち35人は北海道出身(日刊スポーツ調べ)。複合など長野が6人、フィギュアなど愛知が4人、スピードスケートなど群馬が3人で北海道以外の都道府県出身者は計27人。北海道勢が圧倒的な成績を残してきた。
ところが「冬季五輪メダル地図」が変わった。今大会の新たなメダリストのうち北海道出身はスピードスケートの森重航だけ。15日まで北海道以外の県から10人(米国を除く)のメダリストが誕生し、合計37人で北海道の36人を逆転した。
大きいのはフィギュアの頑張りと、スノーボードやフリースタイルスキーなど新しい競技の台頭。日常的に雪のない地域でも、冬季五輪が身近になった。全国的に盛り上がる冬季五輪。もう「北海道の大会」ではなくなった。【荻島弘一】(ニッカンスポーツ・コム/記者コラム「OGGIのOh! Olympic」)






