We Love Sports

なでしこ版カズ 藤尾きららブラジルから代表目指す

日本の裏側、ブラジルで奮闘する、なでしこがいる。MF藤尾きらら(21)。高校卒業後の17年に単身でブラジルへ。練習生を経て同年12月にブラジル1部リーグ、スポルチ・レシフェで同地では日本人女子選手初となるプロ契約を勝ち取った。日本代表DF南萌華ら18年U-20ワールドカップ(W杯)フランス大会優勝メンバーと同世代の21歳。環境も文化も全く違うサッカー王国で技術を磨き、目標とする日本代表入りを目指している。

ブラジル1部リーグで日本女子選手初のプロ選手となった藤尾きらら(撮影・松尾幸之介)
ブラジル1部リーグで日本女子選手初のプロ選手となった藤尾きらら(撮影・松尾幸之介)

日本女子選手にとって未開の地だったブラジルへの挑戦に迷いはなかった。高校卒業後には、なでしこリーグのクラブからも誘いがあった。それでも「直感的に行きたいと思いました。ブラジルといえば男子はサッカー大国で、女子もこれから上がってくる。どんなサッカーか感じてみたかったし、自分の力を試したかった」。オファーもない中でのブラジル行きを心配する声もあった。知り合いを通じて受けたレシフェの入団テスト。「2回断られて、3回目でやっと。奇跡でしたね」。ビザなどの手続きを済ませ、プロ契約までたどり着いた。

昨季にレシフェから同リーグのアバイ・キンダーマンへ移籍。ブラジル代表も輩出するなどタレントぞろいのクラブで契約も更新した。世界各地から選手が集まる米国や欧州のリーグとは違い、周囲のほとんどはブラジル人選手。「チームメートからは『日本人は本当にサッカーがうまいけど、点が決められないから意味ないよね』とよく言われます。試合中はみんな勝ち気。顔を上げてプレーしないとつぶされて、強くて速い。勝たないとやじが飛んでくるし、覚悟を決めていないと戦えない」。

ブラジルでの経験を日の丸にも還元する。最初は全く分からなかったポルトガル語も、約1年半の寮生活で生活に困らないレベルに上達した。食あたりで1週間苦しんだり、「日本人を外せ」とやじられることもあった。「ブラジルを選んで良かったと思います。目標の選手は(日本代表の)岩渕(真奈)さん。得点やパス、ドリブル、何でもこなせる人になりたい」。日本を代表して輝くその日を目指し、遠き南米での藤尾の挑戦は続く。【松尾幸之介】

◆藤尾(ふじお)きらら 1998年(平10)11月2日生まれ、熊本県玉名市出身。5歳でサッカーを始め、地元クラブチームを経て高校女子サッカーの名門、日ノ本学園(兵庫)へ進学。主にサイドハーフの選手として2度の全国高校総体優勝や全日本高校女子サッカー選手権の優勝を経験した。家族は両親と兄、姉。156センチ、55キロ。右利き。血液型A。

千葉県内でトレーニングに励む藤尾きらら(撮影・松尾幸之介)
千葉県内でトレーニングに励む藤尾きらら(撮影・松尾幸之介)

スポーツをこよなく愛する日刊スポーツの記者が、スポーツの醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

おすすめ情報PR

スポーツニュースランキング

更新