苦しんだ宮里藍(30=サントリー)に、光が差してきた。7バーディー、1ボギーでこの日のベストスコア66をマークし、通算12アンダー276で3位に入った。好調なドライバーショットで13年3月のRRドネリーファウンダーズ・カップ2位以来約3年ぶりのトップ5フィニッシュ。世界ランクも67位上昇して90位となった。18歳のリディア・コ(ニュージーランド)が同19アンダーで2位に4打差をつけ、米ツアー5季連続の通算11勝目を挙げた。

 最終日だけなら、圧勝のコをしのぐゴルフだった。宮里藍は「シーズン初めからずっと手応えは感じていると言っていたんですけど、それがやっと証明できた。すごく満足しています」と言った。昨季は賞金シードギリギリのランク78位。今季も開幕から5戦で50位台4試合、予選落ちが1試合。感覚に結果が追いついてきたことを素直に喜んだ。

 フェアウエーを外したのは17番のみ。「切り返しがスムーズ。スイングチェックをやらなくていい状態」。父でコーチの優さんも太鼓判を押すドライバーショットの好調ぶりは数字が証明している。今季のフェアウエーキープ率85・07%はツアー4位。平均飛距離も250ヤード強と昨季から8ヤードほど伸びた。契約メーカー担当者は「飛ぶ条件である打ち出しの高さとスピン量の少なさのデータがさらに良くなった」と説明。ボールの回転数や角度の数値も安定しているという。

 不振の象徴となっていたパッティングも上向き。31日からは今季メジャー初戦となる、ANAインスピレーションが始まる。「自然と期待をしてしまう。でも、しっかり丁寧にやり続けないと。トップ10がゴールじゃない」。大舞台を前に、復活への1歩を記した。