金の卵を日本ゴルフ界でバックアップする。日本女子オープンで国内メジャー初のアマチュア優勝を飾った畑岡奈紗(17=茨城・ルネサンス高3年)が出場する米ツアー2次予選会(20~23日、米フロリダ州)のキャディーを、ナショナルチーム(NT)のガース・ジョーンズ・コーチが務めることが5日、分かった。NTの活動ではない個人の試合としては異例の対応で、夢を後押しする。また、明日7日からのスタンレー・レディース(静岡・東名CC)ではイ・ボミ(28=韓国)笠りつ子(28)と同組となった。

 畑岡に心強い味方が加わる。15年にNTコーチに就任したオーストラリア人のジョーンズ氏。14年世界アマで女子が優勝した同国代表をサポートした実績を持つ。国内は母博美さんがキャディーを務めるが、仕事の都合もあり海外は難しい。「去年に教えてもらいました」という練習ラウンドのポイントを今大会も実践するなど、畑岡本人のジョーンズ氏への信頼も厚い。

 米ツアー2次予選会は、あくまで個人の挑戦で、NTのコーチが同行するとなれば異例のこと。NTを編成する日本ゴルフ協会(JGA)が、世界と戦える力を秘めた17歳を支えるために動いたもようだ。214人が出場予定の2次予選会で80位以内に入れば、最終予選会(11月30日~12月4日、米フロリダ州)に進出。スタンレー・レディース終了後のプロ転向申請が濃厚な畑岡にとって、来季からの米参戦という夢をかけた大事なステップとなる。

 まずは今大会に集中する。この日の練習ラウンドは前週からの疲労を考慮し、コンディション調整のためイン9ホールに短縮した。第1日は賞金ランク1位のイ・ボミ、同3位の笠という豪華なペアリングだ。「緊張しますけど、うれしいです。今トップの2人なので、すごく勉強になると思います」と素直に喜んだ。

 前日には「トミー・アカデミー」で指導を受けた中嶋常幸から電話で「強い選手は優勝した次の週でも強いんだぞ」とハッパを掛けられた。「言われた通りにできるよう頑張りたいです」。“アマチュア最終戦”で勢いをつけ、米国に向かうつもりだ。【亀山泰宏】

 ◆畑岡奈紗(はたおか・なさ)1999年(平11)1月13日、茨城・笠間市生まれ。ゴルフは11歳から。中学2年時に中嶋常幸が主宰する「トミー・アカデミー」に1期生として入門。15、16年世界ジュニアで日本選手初の2連覇。得意クラブはドライバー。平均飛距離は250ヤード。目標は中嶋常幸と宮里藍。158センチ、62キロ。