元賞金女王アン・ソンジュ(29=韓国)が涙の開幕戦優勝を飾った。

 川岸史果と首位で並んで迎えた18番パー5。第3打は川岸とほぼ同じ約30ヤードのアプローチとなったが、反対側のラフまで外した川岸に対して、ピン前5メートルへ。これを沈めて、バーディーを奪うと天を見上げ、顔を覆った。

 「昨年はけがばかりで棄権も多くて…。いろいろ思い出してしまいました」。昨季は主に首痛の影響から、10年からの日本ツアー参戦で棄権が最多の4度を数え、賞金ランクも自己ワーストの9位に低迷した。苦しかった日々が頭をよぎった。

 開幕戦優勝は日本参戦1年目の10年大会以来2度目だ。「あの時は何もわからないまま勢いで勝った。でも、今回は琉球GCの怖さ、特に高麗グリーンの難しさを理解した上で勝てた。ずっと『もう一度勝ちたい』と思っていた、大好きなコースで勝てたことが本当にうれしい」。

 第1日の10番パー4で、第1打を左に曲げた後、木に当たった球が跳ね返って体に当たり、1罰打を食うなどして「8」をたたいた。そんな珍事を乗り越えての開幕戦V。4度目の賞金女王へ、快進撃の予感が漂う。「まだ1試合ですよ? あと37試合あるんですよ? そりゃあ賞金女王になれたらうれしいですけど…。今年の目標は体を元気にして、シーズンを通して試合に出続けることです」と話していた。