今季限りでの現役引退を表明している女子ゴルフの宮里藍(32=サントリー)が21日(日本時間22日)、約2カ月ぶりとなる米ツアー、アーカンソー選手権(23日開幕、アーカンソー州ロジャーズ・ピナクルCC)に向けた公式会見に臨んだ。

 全て英語で行われた会見で、あらためて引退の理由などを米メディアに語った。

 一問一答は以下の通り。

 -元世界ランク1位のアイ・ミヤザトが今季限りでの引退を発表しました。この大会での思い出は?

 宮里 もちろん、ここで2012年に勝ったことです。すごくいいプレーをしました。この大会は大好きです。とてもすばらしい運営ですし、地元の人々がとても大会をサポートしてくれています。いつもここへ帰って来られることはうれしいし、今年もとてもエキサイトしています。

 -大会もアイが戻ってきて、とてもエキサイトしています。引退を発表してから初めての米ツアーの試合ですが、まず聞きたいのはなぜ、今の決断だったのでしょうか?

 宮里 私は去年の8月に引退を決めました。今年をキャリアの最後の年にしようと。ずっといつ発表しようかと考えていましたが、日本ツアーに数試合出て、自分のスポンサーでもありますし、アメリカに戻る前に発表するのがいいと思いました。特にサントリー・レディースの前に言うのがいいと思いました。サントリーは私のメインスポンサーですから。5月に発表するとか、それはいつでも良かったんですけど、ただ、自分が何を考えているか、何をしないといけないか、そういうことをみんなとシェアしたかったです。

 -母国で、あなたを大好きなファンからどういうサポートを受けました

 宮里 ホントに素晴らしかった。あんなにたくさんの人が来てくれるとは思っていませんでしたから。いつもの声援は「頑張って」とかだったんですが、今回は「ありがとう」「おめでとう」という言葉で。それでとても感情的になりました。

 -日本での試合はもうこれで終わりと決めていますか

 宮里 いいえ、まだ決めていません。でも、そんなにたくさんはないのは確かです。もしかしたら、1か、2試合あるかもしれないけど、決めていません。

 -米ツアーでもニュースが流れると、悲しむ声と、アイにはハッピーという声がたくさん聞かれました。

 宮里 みんな、アイのためには良かった、でも、いなくなるのは悲しいと。このツアーで12年間、素晴らしい思い出があります。ベストを尽くしましたし、たくさんの友人ができました。彼らは私のアメリカの家族です。引退後もアメリカには住みますし、時にはツアーを訪れてみんなにあいさつに来たいと思っています。でも、まだ今年は数カ月残されているので、今年の残りのシーズンをしっかりと楽しみたいと思っています。

 -昨年8月に決めたきっかけになることはあったのでしょうか。それとも、ただそういうタイミングだったのでしょうか

 宮里 4年前から決断するのにとても悩んでいました。自分のゲームについてとても深く考えていたし、引退する一番の理由はゴルフをするのにモチベーションを維持することが難しくなったからです。ただ4年前は、まだずっと若かった。27歳。まだ、何かできるのではという思いがあった。ただ、モチベーションなく続けていくのは、どんどん難しくなった。それで、きっと、これは自分の人生で次の章へと進んでいく、という意味なのかもしれないと。そう昨年の8月に感じた。他の人がどう考えているのではなくて、自分の気持ちがそう言っていると思いました。自分が決断したことは本当に良かったと思っています。ゴルフは大好きですから、まだ自分が何かできると思っています。ゴルフでまた、何か違ったことをしていきたいと思っています。

 -今週の気持ちはどうですか。引退を発表して、リラックスしているのでしょうか

 宮里 とてもリラックスしています。ゲームをもっと楽しむことができるし、スポンサーさんやファン、友人や家族にとても感謝しています。この4年間よりずっと気持ちよく、そして今はプレーする準備が整った、そう感じています。なぜなら、以前よりずっとゲームを楽しめると分かっているから。とてもいい気持ちです。

 -引退後はどうするか決めましたか

 宮里 いいえ、まだ決めていません。現在考えています。ようやく考える時間ができたと思います。でも先ほども言ったように、ゴルフが大好きですから。ゴルフに恩返しをしたい。特に日本に。だからジュニアのこととか、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)など、きっと何できると思います。

 -先ほどリディア・コがここに来て、世界ランク1位でいることの難しさを語りました。あなたも世界ランク1位であった時、大変でしたか。また1位に戻ることへプレッシャーを感じていましたか。

 宮里 そうですね。突然、たくさんの注目を浴びて、それはとても大変でした。みなさんを責めているわけじゃないですが(笑い)。毎日英語でインタビューをして、それは私にとって、とても難しいことでした。ゴルフコースの外でたくさんのエネルギーを使いました。自分が完璧でいようとトライしていました。私はちょっと完璧主義なんです。それはなんの助けにもなりませんでしたね。今なら世界ランク1位でいることはとてもエンジョイできることだと思いますが、でも、それを維持することはそれは本当に大変。練習もよりたくさんしないとならないし、ゴルフコースの外でやることも増える。そのバランスはとても難しい。

 -日本から、世界ランク1位になったのは男女を合わせてあなただけ。日本ではどういうプレッシャーがあったのでしょうか

 宮里 みな、とてもハッピーだったと思います。日本のファンからはとても注目されましたし、メディアもそうですが、でも私もとてもいいプレーをしていました。自分にとても期待もしていました。自分にプレッシャーをかけていましたが、それはいいことではなかった。何と言ったらいいか…きっと、もっとリラックスしているべきだったと思う。ゴルファーのアイ・ミヤザトではなくて、普段のアイ・ミヤザトであるべきだった。