全英女子オープンで優勝した渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、体調不良を訴えながらも11位で発進した。国内凱旋(がいせん)試合は4バーディー、2ボギーの70で回り2アンダー。トレードマークの笑顔は少なめで「頭と喉が痛い」と漏らした。それでも全英で圧倒的な強さを発揮した後半9ホールで、この日も3バーディー、ボギーなし。首位申ジエ(31=韓国)とは3打差。2週連続Vを射程圏にした。

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足取りが重い。いつものシンデレラスマイルも、少なめだった。前半を終えると、渋野はロッカー室へ駆け込んだ。約40分の休憩中に睡眠をとり、力を振り絞って後半へ。見せ場は12番パー5。56度のウエッジで打った残り50ヤードの第3打は、ピンを直撃。その衝撃でカップが壊れた。担当者が修復した後、約6メートルのバーディーパットを沈める。大歓声を浴びると、ようやくいつもの元気が出てきた。

「体調は本当に悪いです。こんなこと言っちゃうのは、あれなんですけど…。でもアンダーで回れたことは良かった。頭が痛くて、朝は喉も痛かった。少しは治まりましたけど、(熱が)あるかもしれないです」

とても試合に臨める状態ではなかった。朝、会場入りするなりグッタリした様子だった。それでも観衆の多くが渋野組につき、42年ぶりメジャー制覇を達成したフィーバーは収まる気配すらない。気力で5時間20分を回りきった。全英の4日間で18バーディー、ボギーなしで回った後半は、この日も3バーディー、ボギーなし。12番以降は、16番パー4で4メートルのパットを沈め、最終18番パー5でも第3打をピンそば2メートルに付けバーディー。11位で発進するところは、さすがだった。

「夏休みなので、小さい子がたくさんいて『日向子ちゃん頑張って~』とか『好きです!』と言われて、めちゃうれしかったです。美寿々さん(同組の成田)は、私の足取りが重いと、後ろから背中を押してくれた。ありがたかったです」

6月16日のサントリーレディース最終日に78を打って以降、全英を含め23ラウンドもオーバーパーがない。安定感は群を抜く。

「頭の片隅にオーバーを打っていないことがあったので、どうしてもイーブンでは回りたかったです。明日も欲張らず、でもやっぱり、アンダーは出したい。今日のスコアを見る限りは試練も、プレッシャーも、あるとは思っていない」

疲労を言い訳にしない。ただ結果を出していく。笑顔のシンデレラはやっぱり、強い。【益子浩一】