日本女子代表が、強豪ロシアに5-2で勝利した。

 最年少の「司令塔」が勝利を呼び寄せた。来場者約260人が静かに見守る中、センター若杉遥(19=立大)の声が響いた。「右! 右くるよ」「集中、集中」。声を出し、コミュニケーションを図ることで、予選リーグで課題だった後半での集中力を高めた。若杉は「常に声を出すことで冷静にプレーができました。ロシアに勝って、明日(の3位決定戦)に向けて、良い流れでつなげられて良かったです」と語った。

 「守り勝つチーム」を掲げる日本のプレーを象徴した試合だった。若杉は、若き司令塔として守備面ではスーパーセーブを連発。さらに、攻撃面では、予選リーグ全6試合で9得点と、全22選手の中で2位につけている。

 一方、17歳でロンドンパラリンピックを経験しても、チーム内では最年少という立場のため、「これまでの試合は少し先輩たちに気を使っていました。ロシア戦では、『声でチームを引っ張らないとダメだ』と考えるようになりました」と心境を明かした。

 試合前、3位以下が決定していた日本は、これまでの嫌な流れを変えるために約2時間半、日本スポーツ振興センター(JSC)のメンタルサポートを全選手が受けた。メンタルアドバイザーに相談し、気持ちの変化があったという。市川喬一ヘッドコーチも「明らかに、選手の目の輝きや態度が違い、まるで別人のようでした」と驚いていた。

 若杉は東京・あきる野市出身。中2の春頃、視神経の周りに骨ができて神経を圧迫する「線維性骨異形成症」により視力を失った。八王子盲学校中等部に転校し、ゴールボールと出会った。中3で代表強化合宿に初招集。筑波大付属視覚特別支援学校高等部2年の時、ロンドンパラリンピックに出場し、金メダルを獲得した。

 同大会は7月31日から8月2日までの3日間開催される。日本(世界ランキング3位・5月末時点)、トルコ(同6位)、ロシア(同7位)、韓国(同28位)の4カ国が出場。この日、総当たりの予選リーグが終了し、日本は2勝3敗1分けで、2日に韓国と「3位決定戦」を行う。