レスリング界に「朝青龍問題」が起きていることが8日、分かった。モンゴル協会会長の元横綱朝青龍、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(34)の金銭に絡む問題が浮上。世界選手権開催中の米ラスベガスで6日に開催された世界レスリング連合(UWW)理事会で処分の声もあがっている。

 発端は5月にモンゴル協会の関係者からUWWに届いた朝青龍会長の金銭問題に関する告発文。UWWは本人に回答を求めたが、期限の2週間を過ぎても返信はなかった。その後も再三コンタクトしているが連絡はない。協会会長として熱心に大会視察を続けていたが、今大会に姿はなし。

 昨年9月のUWW理事選で落選している。振る舞いに眉をひそめる理事もおり「このまま返事がないなら、厳罰に処すべき」という声もあがった。今大会中に釈明がなければ、同氏の資格停止、ウランバートルで開催予定のリオデジャネイロ五輪世界予選第1戦(4月)の開催権剥奪まで可能性が出てきた。

 今大会開幕前には自身のツイッターに選手の写真を載せ「頑張れ」とエールを送っていた。このままではレスリング界の立場は危うくなり、最悪、選手にも影響する事態に発展しそうだ。

 ◆モンゴルのレスリング騒動 昨年末から今年初めにかけて、モンゴル国内で問題追及の声が続々と上がった。ともにウランバートルで開かれた13年のアジア・カデット選手権、14年のアジア・ジュニア選手権では、参加国から集めた参加費など総計約6500万円の使途が不明となっていることが明らかになった。今年、中東で開かれた国際大会では、代表に派遣された男子3選手が、ビザの名前が違っていたため「不法入国」として逮捕されたという。モンゴル・レスリング協会の会長を務める元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏の責任を求める声が上がったが、現在は沈静化している。ほかにも昨年、韓国・仁川で開かれたアジア大会では、関係者に交ざって連盟に関係ない人間が不法入国し、そのまま逃亡する事件が起きたという。また、女子代表の厚遇に比べて、男子代表の冷遇ぶりも話題となっている。

 ◆最近の元横綱朝青龍 モンゴルレスリング協会名誉会長の職にあったが、13年4月に会長就任。昨年3月に日本で行われたW杯で来日した際には「世界のレスラーが学ぶべき」と、父の死を乗り越えて優勝に貢献した吉田沙保里を絶賛した。レスリング以外でも大相撲観戦やイベント参加などで来日。スポーツのほかにも実業家、タレント、評論家など多方面で活躍。