【ウォリック(英国)9月30日=岡崎悠利】勝利への3つの合言葉は「我慢」「規律」「アグレッシブ」だ。ラグビーW杯イングランド大会でベスト8を目指す日本代表は、3日にサモアとの第3戦に臨む。負ければ1次リーグ突破が絶望的となる重要な一戦に向けて分析と対策が進んでいる。副将を務めるベテランのロック伊藤鐘史(34=神戸製鋼)は、サモア攻略のキーワードと、セットプレーでボールを保持して日本のペースに持ち込む作戦の一端を明かした。

 サモアにどう勝つか。伊藤は選手間で行われたミーティングの一部を明かした。「我慢、規律、アグレッシブ(積極性)という3つのキーワードを出した。この3つを徹底していく」。サモア戦に向け、いい準備ができていると手応えを感じているといい、「(実践する)覚悟はできた」と言葉に力を込めた。

 まず我慢。体格で勝るサモアだが、スクラムのまとまりは日本が上だと自信を持つ。試合の映像を見て、「我慢していれば必ず押せるタイミングがくる」と確信した。特に後半の体力勝負は日本の持ち味。相手が疲れるまで攻撃を重ねて好機を待つ。これまでの2戦とスタンスは変わらない。

 次に規律。伊藤が大きな役割を担うのが、ボールをサイドから投げ入れるラインアウトだ。南アフリカ、スコットランドとの2試合を通し、味方ボールは1度も奪われなかった。焦らずに自分たちの決まり事を守ればやれると自信を得た。「高さでは負ける。試合前に横に並ぶと背の高さも、手足の長さも違う。それでも正確な掛け声と速さがあればボールを確保できる」。今回は味方ボールの確保だけでなく、「相手にも圧力をかけたい。武器にしたい」と意気込む。

 最後にアグレッシブ。試合の笛を吹く南アフリカのジュベア主審は、攻撃側に有利にジャッジする傾向があるという。伊藤は「これはジャパンに有利」と話す。ボールを保持して攻め続ける日本のスタイルを貫けば、相手の反則も増える。そして五郎丸のキックで得点を重ねる。あの南アフリカを打ち崩した日本得意の展開が描ける。

 ロック大野は「攻撃と守備でスクラムを変える」と、守備でもアグレッシブにいく構えだ。相手ボールのスクラムでは2列目の選手が膝を浮かせた状態から、スピードを上げて相手とぶつかる。体が浮く分だけスクラムの低さはなくなるが、鋭く圧力をかける狙いがある。

 目標の8強には勝たなければならない。伊藤は「いま日本で注目を浴びている。これを伸ばすのも止めるのも次の試合次第。あくまで8強進出が目標。必ず勝つ」と気合十分に話した。

 ◆伊藤鐘史(いとう・しょうじ)1980年(昭55)12月2日生まれ。兵庫県神戸市出身。神戸製鋼に所属。中学時代に阪神大震災で実家が半壊、建築に興味を持って進んだ兵庫工高でラグビーを始める。京産大をへて神戸製鋼へ。初キャップは31歳と遅くキャップ数は36。現在は日本代表副主将。191センチ、100キロ。